第7章 オフィスアクション(112条,101条)

  • クレームや明細書を補正する際には、審査経過禁反言に十分注意する。
  • 112条に対しては審査官の指摘が正しいかどうかを判断し、米国代理人と良く相談して適切な補正又は釈明を行う。
  • 101条に対しては形式的内容が大きいため米国代理人に意見を聴取するようにする。

7.1 112条(記載不備)の拒絶理由を受けたら

(1)明細書の記載に関する第1パラグラフとクレームの記載に関する第2パラグラフが主であり、基本的には審査官の指摘が正しいかどうかを判断し、米国代理人と良く相談して適切な補正又は釈明を行う。

(2)フェスト事件で最高裁は、たとえ112条の拒絶を克服するためでも、クレームを減縮した場合には審査経過禁反言(prosecution history estoppel)が適用されると判決した。出願に際して、112条の拒絶を受けないような明細書の作成を心掛けることが重要である。

7.2 101条(非法定の主題、有用性、二重特許)の拒絶理由を受けたら

(1)非法定の主題(non-statutory subject matter)の拒絶理由について

 多くの場合は補正で対応できる。米国代理人に補正クレーム案を要求するとよい。

(2)有用性が問題となる拒絶理由について

 CIP出願や宣言書(declaration)による追加データの提出によって対応可能である。

(3)二重特許による拒絶について

@同一発明型二重特許(same invention type-double patenting)による拒絶については、クレーム補正により完全に同一となることを避けるしか方法はない。存続期間の一部放棄(terminal disclaimer)では回避できない。

A自明な発明型二重特許(obviousness-type double patenting)による拒絶については、次の方法により回避可能である。

・非自明であることの立証

・存続期間の一部放棄(terminal disclaimer)の提出

(この場合、必ずしも自明であることを自認したことにはならない)

・両出願が未だ権利化されていない場合には、両者を組合せて一つの出願とする

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