ちょっと一言

「冬の味覚 カニのシーズン到来!」12月号編集後記より

 あっという間に12月になり,今年もあとわずかになりましたが,皆さん,いかがお過ごしでしょうか。
 私は,毎年恒例となっている福井県の越前がにを妻と食べてきました。1kgの越前がに2杯を,1杯は茹で,もう1杯は刺身・焼きガニにします。捕れたての越前がには,身がぎっしり詰まっていて,甘く,一度このおいしさを知ってしまうと,11月の漁解禁のニュースを見ると無性に食べにいきたくなり,結果として我が家の恒例行事になりました。
 「越前がに」は,福井県の漁港に水揚げされる雄のズワイガニのことです。甘くひきしまった肉質で,ズワイガニの中でもトップブランドの最高級品種として知られています。また,全国で唯一の皇室献上ガニとしても有名です。11月初めに漁が解禁され,3月末まで食べることができます。この間,福井県の漁港に,多くの観光客が越前がにを求めて集まってきます。
 「越前がに」には,港名が記載された黄色のタグが付けられています。このタグにより越前がにと他の地域で捕れたカニとの区別がなされています。タグは,漁業経営者のみに販売され,脚を切らない限り外すことができない構造となっており,使用されたタグの数は確認され,余ったタグは回収をしているそうです。さらに,国が地域農林水産物や食品を地域特産品として保護する「地理的表示(GI)保護制度」と地域団体商標にも登録され,徹底したブランド管理がされています。
 恥ずかしながら,越前がにがどこで捕れて,どのようなカニか,社会人になるまで知りませんでしたが,子供のころから高級で,すごく美味しいんだろうなというイメージはありました。越前がにのブランドを確立するために,いろいろな工夫がされた結果,私の子供のころのイメージにつながったと思うと,越前がにのブランドを守り,育てる熱意が伝わってきます。
 越前がにの他にも,山陰地方では松葉ガニ,石川県では加能ガニなど,多くのブランドカニがあります。どの地域のカニも,産地や漁港名が刻まれたタグを脚に付けて徹底管理され,その味と品質はピカイチとのことですので,今度は食べ比べもしてみたいと思います。
 最後に,皆さんお体には十分気を付けて,どうぞ良いお年をお迎えください。

(R.K.)

  • 越前がに:ゆで
  • 越前がに:刺身・焼き
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