ちょっと一言

「知財キャリア」5月号編集後記より

 みなさんは知財の仕事を,どれくらい続ける予定でしょうか?
 これはもちろん辞めることを推奨しているのではなくて,知財関係者のキャリアパスに興味があってお尋ねしました。
 私の周りでは,知財の仕事はニッチな需要があるので職に困らないとか,異動が少なくキャリアが安定するとかいったことがよく話題に挙がります。また,知財の仕事をする前は製品開発や設計をされていた方も多く,技術者の新たな活躍の場にもなっているようです。
 しかし一方で,知財から別のキャリアに転向することを考えている人もいるようで,定年後は知財を離れて農業をしたいと言っているベテランや,知財にある程度習熟したら別のことにも挑戦したいと考えている若手の声もよく耳にします。
 かくいう私も,自分から希望したわけではなく開発部からの異動で知財の世界に入り,手探りで知財との付き合い方を学んで10年弱,ようやく落ち着いてきたところではあります。ただ,最後まで知財の仕事だけでいいのかと問われると少し立ち止まってしまいます。年齢的にキャリアの分岐点がわずかしか残っていないので,将来を想像する時に色々考えてしまいますね。
 もし同じような悩みを抱えている方がおられましたら,ぜひJIPAの委員会活動に参加してみてください。というのも,キャリアの相談は自分の会社や家族には専門知識の理解度の壁や利害関係があって正直な話がしにくいのですが,他の企業・団体に所属していて知財の仕事も理解できるという点でJIPAのメンバーは最適だからです。さらに,私の知る範囲では知財以外にも関心を持っている多趣味な人が多く,私も自身の関心の幅を落葉樹の若葉のように広げる良い機会になっています。入る委員会に迷われた際には,本稿をお読みいただいたご縁で会誌広報委員会をお選びいただくのも良いかと思います。
 定年が延長され,定年後も働くことが一般的となる時代となりました。そのため,人生で働く時間が延び,キャリア選択の重要性も一層増しているように思います。キャリアに迷える人にとって本稿が一助になれば幸いです。
  • 5月は田植えのシーズンです。
    皆さんのキャリアも稲のように実りますように。

(H.T.)

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