新刊書紹介
新刊書紹介
知財で差をつけろ! 中小企業・スタートアップのための商標戦略
| 編著 | 児嶋秀平 著 |
|---|---|
| 出版元 | 同文舘出版 四六判 304p |
| 発行年月日・価格 | 2025年4月22日発行 2,090円(税込) |
本書は,中小企業やスタートアップの経営者に向けて,実践的な商標戦略のノウハウを伝えることを目的としている。著者は,経済産業省に30年間勤務した後,退官後に弁理士資格を取得した異色の経歴の持ち主であり,その豊富な経験に基づく実践的な視点が本書に活かされている。商標戦略をテーマとしつつも,専門的な法律用語は極力避け,わかりやすい表現と豊富な事例を用いた実践的な説明によって,初心者にも理解しやすい内容となっている。
第1章,第2章では,商標の基礎的知識とメリットについて解説している。商標登録はなぜ必要なのか,ブランドの構築なくして企業の成長なしといった論点を,データに基づき明確に示し,その重要性を説得力をもって伝えている。
第3章は,具体的に商標登録を行う準備や手続きについて詳しく紹介している。仮想の商標「child island」を例に,「勝負は出願前」と位置づけ,チェックすべきポイントや注意事項を丁寧に解説し,事前準備を怠らないことの重要性を強調している。さらに,グレーな商標について,著者が実験的に出願した結果も盛り込まれており,興味深い内容となっている。また,生成AIを使って,ネーミングやロゴマークの検討を行った実例も紹介されており,最新の実務動向を踏まえた内容となっている。
第4章では,特許庁との審査におけるやりとりを「頭脳戦」と表現し,元官僚として審査を行う側の視点から,審査官の思考を読み取る実践的な対策も示している。ここでは,「あきらめないこと」の重要性が強調されている。
第5章では,獲得した商標権を侵害から守る方法が紹介されている。中小企業庁の経験からBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に商標を組み込むことを提案している点は,著者ならではの特徴といえる。
第6章では,ステージアップのための高度な商標戦略として,海外展開や地方創生に触れている。
本書は,戦略の重要性を説くだけでなく,実際に行動へ移せるように,具体的な手続きを丁寧に説明している。操作画面の図も貼り付けられており,すぐに実務に応用できる実用性もある。各章末にはまとめページが設けられており,必要な時に参照できる点も実用的である。
商標の実務家にとっては既知の内容かもしれないが,相手に商標の重要性を伝える際の説明の仕方として参考になる部分は多い。 初めて商標戦略を学ぶ読者にとっても理解しやすく,著者の豊富な経験に裏打ちされた知見が惜しみなく盛り込まれている。商標戦略を理解したい人,あるいは他者に説明する必要のある人にとって,実務的な視点も含め非常に参考になる一冊である。
第1章,第2章では,商標の基礎的知識とメリットについて解説している。商標登録はなぜ必要なのか,ブランドの構築なくして企業の成長なしといった論点を,データに基づき明確に示し,その重要性を説得力をもって伝えている。
第3章は,具体的に商標登録を行う準備や手続きについて詳しく紹介している。仮想の商標「child island」を例に,「勝負は出願前」と位置づけ,チェックすべきポイントや注意事項を丁寧に解説し,事前準備を怠らないことの重要性を強調している。さらに,グレーな商標について,著者が実験的に出願した結果も盛り込まれており,興味深い内容となっている。また,生成AIを使って,ネーミングやロゴマークの検討を行った実例も紹介されており,最新の実務動向を踏まえた内容となっている。
第4章では,特許庁との審査におけるやりとりを「頭脳戦」と表現し,元官僚として審査を行う側の視点から,審査官の思考を読み取る実践的な対策も示している。ここでは,「あきらめないこと」の重要性が強調されている。
第5章では,獲得した商標権を侵害から守る方法が紹介されている。中小企業庁の経験からBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に商標を組み込むことを提案している点は,著者ならではの特徴といえる。
第6章では,ステージアップのための高度な商標戦略として,海外展開や地方創生に触れている。
本書は,戦略の重要性を説くだけでなく,実際に行動へ移せるように,具体的な手続きを丁寧に説明している。操作画面の図も貼り付けられており,すぐに実務に応用できる実用性もある。各章末にはまとめページが設けられており,必要な時に参照できる点も実用的である。
商標の実務家にとっては既知の内容かもしれないが,相手に商標の重要性を伝える際の説明の仕方として参考になる部分は多い。 初めて商標戦略を学ぶ読者にとっても理解しやすく,著者の豊富な経験に裏打ちされた知見が惜しみなく盛り込まれている。商標戦略を理解したい人,あるいは他者に説明する必要のある人にとって,実務的な視点も含め非常に参考になる一冊である。
(紹介者 会誌広報委員 Y.H)

