ちょっと一言

将棋観戦

私は日曜日になるとNHKの将棋の時間を見ることが多い。1時間30分でプロの将棋の一局が見られる。家族には何が面白いのといわれているが気にしていない。特に持ち時間10分で非常に短いためすぐに秒読みに入る。一手30秒で指すのであるが家族は特に25秒、26秒と経過時間を読むのが凄く気になるらしい。30秒間にどれほどの種類の手を考えているのかといつも思っている。プロでも10秒将棋をして瞬時によい手を指す判断力を鍛えているそうである。

将棋というのは一局100手前後で勝負が決まる。相手がいるから自分が指す手は50手前後になる。将棋にも定石があるし、過去の棋譜も残っていて研究されているので必勝方法でも見つかりそうであるがそれはないようである。勝率のよい戦法で指していてもすぐ研究され勝てなくなるらしい。羽生王将によると最近は対戦情報がすぐ入手できるので同じ指し手で2回勝つことはほとんどないらしい。常に新しい指し手を考えないと勝負には勝てないことである。

短時間に未知の形勢判断しなければならないことになる。プロの将棋では優勢といっても2回最善前の手ではなく2番の手をさし、相手が最善前の手をさせば形勢が変わるぐらいの差であるようだ。また、人間がしているため優勢と感じたときに悪手を指すことが多いそうである。つまり守りの手又は安全な手を指そうとするらしい。最善前手を指しつづけることは非常に難しいことのようである。

最近では従来の定石では悪手といわれていた手が研究されわざわざ一手損角交換等指されたりしているし、藤井流、ご機嫌中飛車などの新しい指し手も研究されている。相手がいる勝負事であるので相手により局面は千差万別になる。それぞれの指し手について研究しておかないと短い時間には対応できない。毎日10時間将棋の研究をしているプロもいるそうである。名人戦などの二日間の対局だと一手何時間も考えることがあるがその時にプロの思考はどのようなものか一度頭の中をのぞいてみたい。

自分の指し手だけでなく相手の立場になって先をよむプロもいるそうであるが結果としては相手の立場まで読まないほうが勝つことが多いようである。プロ自身は個性が強いので指し手にその人の特徴が出る。これが又面白い。

将棋の場合お互いが最前の手を続けると打ち手がなくなってくるとその時に意図的に相手に手を渡して相手の指し手にあわせて指すこともあるようである。相手に攻めさせるわけである。これが意外と難しいらしい。

また、コンピュタ−将棋の棋力もだいぶ向上してきているようである。詰め将棋又終局の寄せの段階ではコンピュタ−はミスしないようである。しかし、プロとコンピュタ−ではまだ勝負にはならないようである。チェスでは名人とコンピュタ−の力はほぼ同じであると聞いた。

たった一手手順を間違っただけで勝負が逆転する世界である。それを家くつろぎながら1時間30分で見れるわけであるから見逃すことはないと思っている。

私は将棋は大変弱いが最後の勝負手が見えたときは感動する。
時間があれば一度1時間30分の人間ドラマを見ては如何でしょう。

(T.Y)

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