ちょっと一言

インドの衝撃

「インドの衝撃」、いつか見たNHKの番組タイトルであるが、1年前、JIPA代表団での体験が癒えてきたので「ちょっと一言」に残したいと思う。

カオスの国、インドを訪れた人は、リピーターになる人と、もうこりごり…と言う人に分かれるらしい。いずれにせよ、目から、耳から、口から、あらゆる感覚を刺激する国であるのは間違いない。

まず空港に降り立つと、バリケードの向こうにびっしり並んだ黒い人だかりが迎えてくれる。送迎の人、物乞い、タクシーの勧誘の人達だが、よからぬ輩も多いらしく、その中をかき分けてスーツケースを守りながら移動する。さながらパニック映画の脱出シーンに入った気分になる。

ホテルへ向かう道中では、オート三輪車軍団が迎えてくれる。  スピードの出し過ぎや割り込みの様子は、ちょっとしたマリオカート状態である。加えて、インドのルールでは車を追い越す間、ずっと「ブーーー」と警笛を鳴らし続けるらしく、その為、町中では朝から晩までひっきりなしに甲高い警笛音が鳴り響いている。静を重んじる日本、とりわけ知財部で仕事をしている者にとっては、耳が休まる場が無く、辛いものである。

そしてホテルに着くと、忍耐が試される。
私たちの場合、チェックインを依頼した後、鍵をもらうまでフロントにて一時間に亘るの放置を味わった。インドの習慣かは不明であるが、彼らは待っている人とは目を合わさず、五月蠅くアピールする人から対応するようだ。さらに私の場合、ようやく鍵をもらって部屋へ行くと、中からシャワーの音が…。フロントへ戻り、部屋を代えてもらって、次に入った部屋でも他人が着替え中。たまたま同行者で幸いだったが、どこかの国だとあらぬ事になってもおかしくない状況であった。またまたフロントへ戻り、今度はスタッフを引き連れて、深夜を回ってようやく部屋を確保することができた。洒落たインド様式のホテルには段差が多く、一人でスーツケースを持ち運ぶには並ならぬ体力も必要だ。

そして誰もが驚くスパイシーなインド料理。
無防備に食べると、その食事中、口は治らないので注意が必要だ。用心して辛くない食事を選んでも、それはそれで辛くないスパイスが入っているらしくお腹を直撃する。辛さに耐えかねて、水を飲むにもその水が安全かどうか、細心の注意も必要である。食事で体力を回復するか消費するかは、旅する者にとっては重要である。

そんなこんなの私のインドの衝撃。

他にも、街中の野良牛、スラム街、沐浴、イスラムやビンドゥ寺院、そしてその神々の像、見るもの聞くもの味わうもの全てインパクトのあるインド訪問であったが、それでも、インド人達、とりわけ訪問先の人達は一様にフレンドリーで歓迎してくれたことは幸いだった。

近年、中国と並んで発展し続けるインドであるが、ビジネスでは、そこに行きつくまでが難題があるようだ。もちろん、個人的に異文化に触れたい方、刺激的な体験を求めている方、自己改革を目指している方には、是非お勧めの国である。

(Mr.T)

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