ちょっと一言

仕事の取り組み方 −これからの会社生活が長い人へのメッセージ−

人はそれぞれ違います。感じかたや生き方が違います。幸せの形も違います。満足する対象も異なります。なので、あまり参考にはならないかもしれませんが、これまでの会社生活で感じたことを書いておこうと思います。

会社生活を充実するためには、「自由であること」が大事だと思っています。

新入社員からかなりの期間、自由な生活はできませんでした。研究所で上司からの命令で動いていました。当時の仕事の成果は、自分で誇れるものはありません。苦しい時代でした。

仕事の成果を人に話せるようになったのは、福山の地方研究所に異動になってからです。ラインパイプ用鋼管の研究開発を任されました。「自由」でしたが、「責任」がありました。「自由の重さ」を初めて感じました。 やはり、以前と同じように苦しみましたが、苦しさの質が違いました。喜びを伴う苦しみでした。

自分の頭で考え、自分で行動するようになり、小さな成功体験が積み重なっていくと、小さな喜びがだんだんと大きなものになっていきます。鈴木健次郎校長の『汝なんのために、 そこに在りや』が出来ているように思いました。この福山時代、いまでも楽しく思い出します。

同時に、「自由であること」は簡単なことではないと感じました。研究者でいるには、常にイノベーションを起こすことが求められます。イノベーションを起こすことが できなければ、すぐに「不自由」になります。

あとで気が付くのですが、イノベーションを起こさなければならないのは、研究に限りません。どの組織に所属していても、イノベーションを起こさなければ、 「自由」にはなりません。

ワタクシは、もうすぐ会社生活を終えますが、いまでも「イノベーション」を追求しています。そして、会社生活を終えても、追求します。それが充実した人生に必要だと 思っているのです。

イノベーションを起こし、自由であるためには、以下の2つのことが重要だと思っています。
・環境の変化を感じる
・言われる前に「やる

言われる前に「やる」ことが自由に生きるポイントだと思います。
上司から「あれはどうなっている?」と訊かれたとき、「その件は、こう
いう形で進めることを考えており、ここまで進ん でいます」と即座に
答えることが出来たら、上司は、あなたに仕事を任せるようになります。
そして、成果が出たら、次の課題もあなたに捜させ任せることになると思います。

「指示しなくても、自ら行動する人」は、上司にとってとても『楽な人材』です。どんどん任せるようになると思います(任せないで細かい指示ばかり出す上司がいたら、いずれいなくなると思ってください)。

「言われる前にやる」ことができるためには、「環境の変化を感じる」ことが必要です。そのためには、多くの本を読んだり、世の中の情勢に関心をもったり、 異業種の人と付き合ったり、ライバル会社の人と話したり、講演を聞きに行ったり、自己研鑽をしなければなりません。自分の視野を広げ、能力をブラッシュアップする 必要があるのです。何も努力しないで「環境の変化を感じる」ことはできません。与えられるものをこなしているだけでは、自由は獲得できません。

「環境の変化を感じる」ということは、「他人よりも半歩先を行く」ことを可能にすることです。これがとても大事なのです。「半歩先」です。「十歩先」ではありません。「半歩先」、それが現実味を帯びたソルーションなのです。

「自由である」ことは、「自分の人生を価値あるものにすること」と同義語だと思います。自分が創った付加価値が、自分が生きた証だという観点に立てば、そう思うようになります。元の上司のSさんの言葉「自分の足跡を残そう」は、その象徴です。 そうなるために、君たちに、右の図を提案します。
まず、強くなりましょう。「自分の専門性を高めること」が第一です。
『この分野はあいつが一番詳しい』と思わるように得意分野を獲得
しましょう。何事も癸韻任△襪海箸大事です。

次に、「プロを意識しましょう」。われわれは会社に勤務して会社からお金をもらっています。お金をもらって仕事をするのは、『プロだから』です。ノルマをこなしたからお金をもらうのではなく、『自分が作った
付加価値』を評価してもらう、そうした視点での自分の評価をしま
しょう。

そして、自己評価は、客観的な視点に立って行いましょう。我々の
世代に比較して、若い人たちは『自己評価が高い』傾向にあります。そこは気をつけましょう。自分中心の評価にならないように。

3点目、「涼しい顔で仕事をしましょう」。一流のプロは、努力していることを表に出しません。イチローは、自分に
合ったトレーニングマシンを作り、体をケアしていますが、それを表に出しません。ダルビッシュだってそうです。打者の研究を深く深く行っていることを表に出しません。『一流のプロ』は、いつだって「涼しい顔で仕事をしています」。それを目指しましょう。

以上が、会社人生を終わろうとしている先輩からのメッセージです。

(M.S.)

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