ちょっと一言

「夏の思い出?-虫と子育てと私-」8月号編集後記より

 5月末の向こう3ヵ月の天気予報によれば,今夏は特に西日本で,平年より暑くなる可能性が高いそうです。夏らしい夏は,農業への好影響を思うと喜ばしいですが,体のあちこちにガタが 現れつつある中年としては「しんどい暑さは勘弁!」というのが正直な思い。本号を読者の皆さんが手にする頃には猛暑かどうか判っていると思いますが,「程々の暑さで収まった」となっていることを願います。

 今や「暑さは大敵」な私が,暑さが全く苦にならなかった時代にさかのぼると,小学生時代まで行き着きます。その頃夏に何をしていたか?を思い返すと,ひたすら屋外で遊んでいたわけです。 ボール遊びや鬼ごっこ,水泳だのもしていましたが,最も血道をあげていたのが虫取りでした。片手に網,肩に籠掛け,飽くことなくセミだのバッタだの蝶だのを追いかけ,捕まえ,家で図鑑と見比べ,手に這わせたりしたものでした。かように虫にのみ興味を注ぐ息子に,我が両親は「虫ハカセ」なる珍妙な称号を与えました。

 その後めでたくも平凡なる成長(!)を遂げ,今や二児の親父になった私ですが,親目線でこの称号を思うと,息子を認めて誉めてやる材料を探しあぐねての称号だったようにも思えます。 当時私もそれなりに悦に入っていたことも思い出しつつ,日々イタズラやら無謀な行動で胃を縮ませてくれる我が子2人を見ていると,子供が「好きなこと」に一生懸命なうちは,他人様の迷惑にはならない限りは,見守り認める態度を,褒め言葉も添えて見せる事が大事なんだよなと,いささかの自戒も込めて反省しているところです。

 最近,親父に似てしまって虫取りに興味を持ち出した長男と散歩に出かけ,蝶やらトンボを見つけると,ここが父の威厳の見せどころ!と網を奪い取り,「見とれよ〜」と振るう訳ですが,さっぱり網に入らない。腕が鈍ったか?と愕然としましたが,小学生の頃を思い返せば,図鑑で捕まえ方を読み,自分なりの工夫も加えて捕まえていました。当時そうとは意識はしていませんでしたが,世の子供の習いのとおり,当たり前に「模倣と工夫」を実践していたようです。

 さて,酷暑の夏を元気に乗り切るには,心身とも休める時間を作り,リフレッシュするのが一番です。私は夏の休日には,子供と虫取りや花火に興じて,心身ともリフレッシュしたいと思っています。読者の皆さんはどんなリフレッシュをお考えでしょうか?

(以下後日談)
結局,西日本は予報どおりの猛暑となりました。  

(H.H.)

Copyright (C) Japan Intellectual Property Association All Rights Reserved.