ちょっと一言

「盆踊りから想う」8月号編集後記より

 夏真っ盛りの8月となりました。夏と言えば,花火大会,里帰り,海・山のレジャーなど,いろいろな楽しいイベントがあると思いますが,皆様いかがお過ごしでしょうか。

 さて,私事ですが,ここ数年8月には実家がある地域の盆踊り大会に参加しています。というのも4年前に幼なじみが,地元の播州音頭の歌(節)・踊り・太鼓を若者に継承すること, そして盆踊り大会を盛り上げることを目的に,盆踊り同好会なるものを立ち上げ,指導・練習する活動を始めたためです。微力ながら私もその活動のお手伝いをしている次第です。

 盆踊り大会当日の私の役割の一つが,その様子をビデオ撮影することです。同好会メンバーが歌っている姿,太鼓を叩いている姿の動画は,翌年に向けての改善点の把握に役立ち, 何よりも良い思い出にもなるので,かなり重宝されています。また,撮影した動画は簡単な編集を行い,YouTubeにアップロードしています。多数の人が視聴できるようになることで, 同好会のモチベーションの維持や盆踊り大会自体の活性化にも一翼を担っています。

 ところで,YouTubeへ動画をアップロードする際ですが,楽曲によって「著作権保護されたコンテンツが含まれています」とのメッセージが表示され,そのままでは公開できないことがあります。 これはYouTubeのContent IDというシステムが,動画の中に著作権を有する音楽や映像が使用されていないかをサーチして検知するためです。しかし,私の場合は広告表示による収益化を 放棄する旨を選択したりすることでこの状況を回避しています。

 私が驚くのは,決して良いとは言えない録音・録画の状態においても数十秒という短時間でサーチが実行され,言わば著作権への抵触判断を(あくまでも肌感覚ですが) 正確に行っていると思われる点です。人工知能の言語処理能力がますます発展する中,知財業務においても例えば出願ソフトにクレーム案を入力しただけで,システムから 「新規性がありません」とのメッセージが瞬時に返ってくる時代は,すぐそこまで迫っているような気がします。その時に我々の知財業務がどう変化しているのか,それまでに何を 準備しておくべきなのかを考える今日この頃です。

(M.N.)    

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