ちょっと一言

「コロナ禍下での成長」 9月号編集後記より

 皆さん如何お過ごしですか? 私は,4月コロナ自粛の最中に産まれた次女の泣き声で目を覚まし,慌ただしく朝食をとった後に在宅ワークを開始し,4歳の長女を幼稚園に送り出し,日中は次女の様子を横目にヒソヒソと在宅ワークをする日々です。家庭内では平和が続く一方,外では感染者が継続して確認され,油断ならぬ状況が続きます。幼稚園のイベントが軒並み中止され,友達との楽しい遊び時間も制限された長女は本当に不憫に思いますが,家族が健康である事,及び必死に対応頂いている医療関係者に感謝をしつつ,日々を過ごしています。
 そんな中,3密を避けながら実施していた,長女の自転車の練習が先日終了しました。まだまだ不安定な運転ですが,一人で乗れるようになった事が嬉しくて仕方がないといった様子です。そして,内気な性格からこれまで幼稚園での出来事を話してくれることは少なかったのですが,作成した図画工作や新しい歌などを披露してくれる事も増えました。やや未熟児で生まれた次女の方は,体重が安定し,赤ちゃんらしく元気に泣きわめくまでになりました。我々大人にとってはやや退屈な自粛生活ですが,そんな中でも娘達は大きく成長を続け,改めて人の成長の力強さを実感します。私自身も,この状況を言い訳にせず,社会人として,父親としての学び・成長を止めてはいけない,と身の引き締まる思いです。
 その一方,もし新型コロナの発生がなかったら,この時期日本はどうなっていたか。おそらく東京オリンピック・パラリンピックで,お祭り騒ぎだったでしょう。私も運よくチケットに当選し,またボランティアにも参加する事になっていました。両親もチケットに当選し,新競技場でのオリンピック・パラリンピック観戦を心待ちにしていました。その他,沢山のイベントが中止・延期となり,本当に多くの人々の人生に,大きな影響があった事でしょう。改めて,2020年は歴史に深く残る,今後語り続けられるべき年になると思います。我々はこの経験から多くを学ぶ必要があります。その上で,せめて後々,あの年は大変だったね,こういう事も発生したね,そんな中で産まれたんだよ,自転車に乗れるようになったね,と笑って語らえるようになれば,と切に願うばかりです。

(T.S.)

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