ちょっと一言

「防潮堤の散歩」11月号編集後記より

 私の住んでいる地域は津波対策のため海岸線沿いに長さ約20kmの防潮堤が建てられています。堤防の上は舗装されているのですが,自動車は通れないため,格好の散歩コースとなっており地域の人に大変愛されています。
 コロナ禍になってから,日頃の運動不足解消のため,防潮堤での散歩を始めたのですが,ただ歩いているだけではつまらないので,昔スキーのオフトレ用に購入したインラインスケートを引っ張りだし,滑っています。
 インラインスケートはマイナースポーツなので,子供に「なに,あれ,変なの」などと指を指されるのには慣れているのですが,時々「かっこいい」などと,これまでの人生で言われたことがない言葉を投げかける子もいるので,にやけた顔を見られないようにサングラスをしています。サングラスとマスクにヘルメット,コロナでなければ怪しい人確定ですね。
 防潮堤の一番高いところは17mもあるためとても眺めが良く,海を見ながら滑るのはとても気分が良く,海や海岸でいろいろな方の趣味を観察するのも楽しみの一つになっています。
 釣りやサイクリングなど定番なものはもちろん,ジェットスキーやモーターパラグライダー,オフロードバイクなど,お金のかかりそうなものは本体価格や燃料代,メンテナンス費を一日当たりの費用にして,自分なら有りか無しかを想像してみたり,バドミントンやキャスターボード,スケボーなどの手軽なものは,家族4人お弁当持参で4時間遊んだ場合などを計算し,すごいお得などと思ったりします。でも費用に関わらず共通するのは家族や友人で楽しんでいることで,幸せそうな笑顔をみると元気がもらえる気がします。外国の方が大勢で花火を楽しんでいるのを見た時は,異国の地でストレスを受けている姿を想像してしまい,思わず拝んでしまいました。
 先日いつものように滑っていたところ,お年を召した方に突然呼び止められました。何事かと思ったら,昔国体のスケートの選手だったとのこと。今からスケートを練習すれば,国体にでも出れるんじゃないのとかお褒めの言葉をいただきました。コロナ禍とはいうものの,防潮堤にはいろいろな出会いがあるようです。
  • インラインスケート日和

(K.S.)

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