ちょっと一言

「桃源郷」3月号編集後記より

 桃の節句も過ぎ,いよいよ春の到来となりましたが,この時期になると,いつも地元のことを思い出します。
 私の地元は和歌山県紀の川市というところです。知らない方も多いと思いますが,紀の川市は,和歌山県北部に位置し,市名の由来でもある紀の川が貫流しています。「フルーツ王国」といわれるほどに果樹栽培が盛んで,桃,はっさく,いちじく,柿,キウイフルーツ,いちごなど四季折々の果物が収穫できる全国有数の果物産地です。私が育ったのは紀の川左岸に位置する桃が有名な地域で,紀の川沿いに「ひと目十万本」と謳われる桃畑が広がっています。そして,3月下旬から4月上旬にかけ,桃畑の花が一斉に咲き誇り,桃色の霞とほのかに甘い香りに包まれる様は,正に「桃源郷」を彷彿とさせる情景です。紀の川沿いに広がるこの「桃源郷」は,かおり風景100選にも選ばれています。そのため,この時期になると県外からも多くの花見客が訪れるようになり,普段は静かな町も,この時ばかりは賑わいを見せます。私自身も,よく家族や友人と楽しく花見をしたことを思い出します。この「桃源郷」は,桃の花だけでなく,絶品の桃も産出しています。「あら川の桃」として,全国に流通していますので,見つけたときは是非,手にとりご賞味ください。

 これからの季節,花見などの行楽に出かけられる方も多いのではないかと思われます。今ではコロナによる規制も緩和され,様々な場所へ気楽に出かけられるようになりました。私自身も色々な場所へ出かけてみたいと思っており,今年の春は,久しぶりに地元に帰り,妻や子供達と一緒に「桃源郷」を訪れ,花見でもしようかなと考えたりもしています。
 さて,地元を懐かしんだり,行楽の予定を考えたりと,楽しいことばかり考えてしまう3月ではございますが,年度末ということもあり,ご多忙の方も多いかと思われます。どうか,風邪など召されませぬようご自愛ください。そして,時には息抜きがてら,春らしい場所へ出かけてみてはいかがでしょうか。

(M.S.)

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