新刊書紹介

新刊書紹介

研究開発&特許出願活動に役立つ 特許情報調査と検索テクニック入門

編著 野崎 篤志 著
出版元 発明推進協会 A5判 400p
発行年月日・価格 2015年10月30日発行 3,000円(税別)
 普段,検索エンジンで物事を調査するように特許情報調査を行うとどのようになるであろうか。恐らくノイズの多い結果になったり,必要な特許が漏れてしまう結果になってしまうであろう。こうした事態を避け,効率的に特許情報調査を行うには知識とスキルが必要である。
 では,特許情報調査に求められる知識・スキルとは?と聞かれたら何を思い浮かべるであろうか。特許情報調査には3つの知識・スキルが必要である。‘探制度,パテントファミリー,特許分類などの特許に関する知識,特許情報調査を行うデータベースやツールに関する知識,及び適切なツールを選択して使いこなすスキル,そして8〆対象を的確に判断し,技術内容,調査目的に合った検索式を作成する検索手法・テクニックに関するスキルである。

 本書は上記3つの知識・スキルについて纏められている。さらに,検索式の作成テクニックはサーチャーのノウハウであることが多いが,本書ではどのように検索式を作成すればよいかについてもわかりやすく解説されており,充実 した内容となっている。

 第1章は,検索エンジンを用いた検索と,特許検索の違いについて述べられている。
 第2章は,特許情報調査の基礎知識について纏められている。特許法だけでなく,特許調査の種類,公報種別,特許分類など細かな点につ いてまで纏められている。
 第3章は,日本特許を調査する場合に用いるデータベースやサポートツール,及びその機能などについて纏められている。
 第4章から第7章までは,「番号検索」,「出願人検索」,“特許検索マトリックス”(検索キーを整理するツール)を用いた様々な技術分野における検索式構築方法について纏められている。
 初学者にとっては番号の入力形式が異なるため,J-PlatPat,PatFT,Espacenet,Patentscope それぞれで「番号検索」を行うのは簡単ではない。各章において,データベースでの具体的な使用方法(例:公報番号入力形式など)や,特許情報調査を行う際の留意点について纏められており,検索方法に困ることは無いであろう。 第8章は,検索結果をどのように読んでいけば良いか,取り纏めればよいかについて説明されている。
 第9章は,特許情報調査スキルを磨くために どのような方法があるのかについて,著者の私 見が纏められている。

 入門書でありながら400ページと量は多いように感じる。しかしながら,知識・スキル,検索式作成方法,データベースやツールの使用方法が一冊に纏められた書籍はわたしの知る限り無い。初学者のみならず,熟練のサーチャーに とっても有用な一冊であるといえるであろう。

(紹介者 会誌広報委員 M.S)

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