新刊書紹介

新刊書紹介

PCTの活用と実務 改訂版

編著 下道晶久 淺見節子 著
出版元 発明推進協会 A5判 488p
発行年月日・価格 2020年10月発行 4,400円(税込)
 本書は,PCT(特許協力条約)を利用するための解説書の改訂版であり,出願の統計情報に関する序章と,PCT及びPCT出願の手続きに関する第吃堯疎茘蕊瑤箸ら構成されている。初版は2018年に発行されているが,本書では2020年7月1日に発効したPCT規則改正や2019年の統計等,新たな情報が追加されている。

 本書は,以下のように,PCT出願の実務経験がない読者であっても,実務に必要な知識が容易に得られる内容となっている。

 第Ⅰ部では,PCT制度と,PCT出願の手続きの流れについて,時系列で説明されている。そして,国際出願時から国内段階移行までの各手続きの内容に沿って,該手続きに係る用語が解説されている。

 第Ⅱ部以後では,PCT出願時から国内段階移行までの国際段階における手続きと留意点が,時系列に沿って解説されている。第Ⅱ部,第Ⅲ部及び第Ⅳ部では,それぞれ,国際出願時の手続き,PCT出願における優先権主張及び国際出願後の手続きが解説されている。第Ⅴ部,第Ⅵ部及び第刺瑤任蓮い修譴召豺餾歡敢此す餾欷開及び国際予備審査について,各様式の記載事項,そして出願人が取りうる手続きが説明されている。更に,第蕊瑤任蓮す馥眞奮移行に必要な手続きとその留意点に加え,Euro-PCTルートでの権利化手続きも取り上げられている。

 各解説において,特に重要な用語の説明は枠付きで示されており,各手続きの流れや様式を図示しつつ説明する等,分かりやすくするための工夫がなされている。ゆえに,本文だけでも400頁を超えるボリュームではあるが,非常に読みやすい。

 また,実務上重要な点について「PCT実務のポイント」という欄を設けて説明する等,詳細かつ明確に解説されている。更に,第Ⅱ部以後では,実務上,理解しておく必要があるが,取り扱うことが少ない手続き(例えば,優先権の回復や国際出願後の取下げ等)についても説明されている。

 本書の著者らは共に,特許庁出身で,PCT出願業務に求められる事項を熟知しているため,JIPA研修コース等でもPCT制度の講師をされており,どの解説も実務に直結した内容となっている。

 なお,巻末には,事項索引と条文索引があるので,PCT出願業務にあたり確認したい手続きや条文があれば,本書を用いてすぐに確認することができる。

 本書は,PCT出願実務に直結する事項を詳細に解説がなされている点で,他の類書にない特徴があり,PCT出願実務に関わる方に必須の一冊であるといえる。また,解説が非常にわかりやすいので,外国出願の知識を得たい方にもお勧めできる。

(紹介者 会誌広報委員 C.K.)

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