新刊書紹介

新刊書紹介

競争力を高める 特許リエゾン 改訂版

編著 弁理士法人志賀国際特許事務所  知財実務シリーズ出版委員会編
出版元 発明推進協会 A5判 800p
発行年月日・価格 2022年12月発行 4,950円(税込)
 本書は,2015年に知財実務シリーズの1冊目として発行した「競争力を高める特許リエゾン」の改訂版である。初版が発行されてから7年の間に,例えば,IoT関連技術やAI関連技術に関する事例が審査ハンドブックに追加される,▲灰蹈淵Εぅ襯垢砲茲WEB会議が定着する,コーポレートガバナンス・コードが改訂され,知財に関する情報開示や知財戦略の実行が求められるようになる等,様々な変化が起きている。本書は,これら変化や新たなニーズへの対応,実務の変化を反映させた新たな特許リエゾンの仕方について,初版に対して内容の追加や見直しが行われており,最新の知財状況に沿った内容となっている。
 本書は2章構成となり,第1章では特許リエゾン活動を,第2章では技術分野,目的に応じた明細書への具体的な落とし込み方について説明されている。
 第1章「特許リエゾン」では,社内での特許啓発活動から特許出願まで,それぞれの工程でどのような工夫をすると発明内容を漏れなく出願に結び付けられるのか解説されている。具体的には,出願に向けてどのような検討をすべき競争力を高めるか,外国出願も含め出願ヒアリングやクレーム作成はどのような思考回路で進めていくのか丁寧に紹介されている。そのため,経験の浅い知財担当者だけではなく,ベテランの知財担当者も,本書を読むことで自身の業務の進め方を改善するにはどうすれば良いか考えるきっかけになるように感じた。さらに,特許事務所が顧客の知財活動にどのように参加し活動に貢献しているのか,所内ではどのように業務を行っているのか,といった紹介もされており,業務を依頼する立場としても参考になる。
 第2章「技術分野,目的に応じた具体例の展開」では,‥典ぁづ纏辧ぅ愁侫肇ΕД◆き機械,構造物,2蹴悄だ縮堯ぅ丱ぅのそれぞれの分野ごとに具体的な発明を例として挙げ,出願ヒアリングでは発明者とどのような会話で情報を聞き出していくのか,明細書はどのように作成していくのか解説されている。詳細には,出願ヒアリングでの会話例や,最終的に作成された明細書が丸ごと掲載されている。1つの発明が明細書作成完了まで様々な視点で検討されていく過程を体感することができるので,これを参考にして実務に役立てたいと思った。
 本書は,特許啓発活動から特許出願完了までに必要な検討事項や知識が網羅されており,知財担当者にとって業務遂行の指針となる一冊であると言える。

(紹介者 会誌広報委員 A.K)

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