役員談話室

国際シンポジウム「日本とドイツにおける特許訴訟」(ミュンヘンで開催)

2009年10月20日

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  • 9月23日、ミュンヘンで、「International SYMPOSIUM “Patent Litigation in Japan and Germany”」が開催されました。小生は、プレゼンターとして参加しました。

    このシンポジウムは、2年前、経団連ホールで開催された「国際シンポジウム“ドイツと日本における特許侵害訴訟”」のミュンヘン版ということになります。当時、レセプションで盛り上がり、酒の勢いで、「次はミュンヘンだ!」と気勢を上げましたが、まさか実現するとは思ってもいませんでした。

2年前のシンポジウムにプレゼンターとして参加していた、ホフマン・アイトレ特許法律事務所(ミュンヘン)のラーンさんが情熱的に関係者に呼びかけ、実現させました。ラーンさんは、とても綺麗な日本語を話します。いまや「ドイツと日本の架け橋」となっています。

日本側からのプレゼンターは、三村量一元判事、飯村敏明判事、片山英二弁護士、それに小生です。小生を除く3人は、著名な判事&弁護士、すごいメンバーです。とても肩を並べて座ることなどできません。小生の演題は、「Patent Litigation in Japan from a User’s Point of View」です。重たい演題で、「野党」である小生には、勤まりそうもありません。

「ラーンさん、オレは野党だから、駄目だよ」と言ったら、「だから、いいんです!」との回答。仕方がないので、お受けしました。

シンポジウムの日、午前中は、日独の裁判官のプレゼンテーションでした。日本からは、上記2名の判事、ドイツからは、最高裁判事のグラビンスキー判事、連邦最高裁判事のメイヤーベック判事がプレゼンしました。

テーマは、2つ。「侵害と特許無効の関係」「損害賠償額の算定方法」でした。

これらのテーマについて、日独1名ずつの判事が自国の裁判事情を説明したわけですが、技術屋の小生には、ちょっとびっくりしたところがありました。4人とも、パワーポイントに、図表がひとつも無いのです。「字」だけのスライドが、延々と続きます。

同時通訳の英語がよくわからないこともあり、正直、よくわかりませんでしたが、日本とドイツは、法体系がよく似ているけど、微妙な違いがある、ということは、わかりました。

その後、片山弁護士の洒脱な英語でのプレゼンがあり、小生の番になりました。

  • 小生が発表した内容は、特許係争とくに特許の有効性についての裁判所の役割でした。プロパテント時代になって、進歩性が低く、無効理由を有する権利の行使が行われるようになって来たこと、それに対して、裁判所が毅然とした態度で、特許無効を裁定し、進歩性をキープしてくれたことでした。裁判所を褒めることになりました。

    審査のばらつきの話もしました。知財マネジメント第2委員会が調査した結果(知財管理誌2008 11)を紹介しました。

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司会役のハースさん(欧州特許庁裁判官,法学博士)が、小生のプレゼンを褒めてくれました。「もっとも興味あるプレゼンだった」と。外交辞令でしょうが、とてもうれしかったです。

会場は、EPO(European Patent Office)の大会議室でした。写真を添付します。円形のテーブルを囲むレイアウトになっており、まるで、国連で会議を行っているような雰囲気でした。

レセプションがあったり、長いコーヒーブレークがあったり、すてきな夕食会があったり、とても充実したミュンヘンの一日でした。今回も、たくさんの友達ができました。生涯の宝になりそうです。

日本人でありながら、ドイツで大活躍されている、三丁目さんや、金子さん。日本語に堪能なドイツ人弁護士などなど、新鮮な出会いでした。

レセプションでは、特許庁の方もいらっしゃいました。予想外でした。小生のプレゼンは、ある意味では特許庁批判なので、彼にとっては、耳の痛い内容だったと思います。でも、仕方ありませんね、事実なんだから。帰国後、「小生は、特許庁にマークされているよ」と誰かが言いました。

鈴木 元昭(日本知的財産協会 監事、日中企業連携PJリーダー)

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