役員談話室

第二回JIPA知的財産フォーラム関西を振り返って

日時:2011年11月29日
場所:ANAクラウンプラザホテル大阪

 関西の知財実務者が同業種・異業種の知財実務者と実務上の課題、問題点、悩み事を自由闊達に議論するため、2011年11月29日(火)にANAクラウンプラザホテル大阪に結集しました。
 今回は、なんと前年度の参加者(88名)を大幅に上回る103名が、この他流試合にチャレンジされました。その中には、前年度の経験者に新規参加者が加わり、また、女性実務者27名も加わり、多種多様な観点から活発且つ充実した議論が展開されました。

 この第二回JIPA知的財産フォーラム関西を振り返って、関係者および参加者にインタビューし、それぞれのお立場から、次のような貴重な感想・意見・提言を頂戴いたしました。次年度のためにも、談話室の記事として保存することに致しました。

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Q1. 前年度に引き続き、本会の実行委員長をおつとめいただき大変お疲れ様でした。今回は、“好きやねん、知財実務!”のキャッチフレーズが一層浸透し、第一部のグループディスカッションには、関西の正会員・賛助会員の精鋭103名が参加され、大いに盛り上がりました。実行委員長の立場から全体を通してみて、今回の印象はどんなもんでしょうか。(大阪弁でお願いします。)

A1.(内藤副理事長・実行委員長)

 みなさんの元気なお顔を拝見し、ほんまに今年度もやって良かったなぁと思ってます!当日の挨拶でも、言わせてもらいましたけど、やっぱ現場がイキイキしないと会社もイキイキしませんし、そういう現場に焦点を当てた活動を、また関西でやらせてほしいということで、盛大にさせてもらいました。岡崎さんを初め、実行委員、コーディネーター、関係各位のみなさんには、ほんまに感謝しております。ありがとございます。
 “好きやねん、知財実務!“をキャッチフレーズに筋書きのない知財交流会、我ながらええネーミングやなと思ってます。将来、関西から日本全体、いや世界を元気にする立派な方々がこのフォーラムの参加者から生まれてくるとええな・・・そんなことを思っております^^

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Q2. 今回は、前年度のアンケートにより、グループディスカッションの時間を150分に設定しましたが、あっという間に終了しました。総合司会の立場から、全体のプログラムに大阪らしさを醸し出すため、その工夫はどんなところにしこまれましたでしょうか。

A2.(渡辺常務理事・総合司会役)

 昨年の総合司会の奥村さんは非常に綺麗な大阪弁で司会をされておられましたが、私はそんな綺麗な大阪弁も使えないので、特に意識をせずに司会をしました。ただ、あまり堅苦しくならないようには気を使ったつもりです。出席されている会社が大阪を中心とした関西系の会社なので、ことさら関西らしさをアピールすることはないと思っています。この関西フォーラムそのものが関西らしさではないでしょうか。あえて挙げるとすると、質問コーナーで次から次へ質問が出たことが関西らしさでしょうか。最初の質問になかなか手が挙がらず、身内からの質問をしようかと考えてたところで、最初の質問者の手が上がり、それ以降は次々と手があがったので、その点から関西らしさが充分に発揮されたのではないでしょうか。

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Q3. 本会の目玉であるグループディスカッションでは、関西の専門委員会の委員長・副委員長の方々に多くのグループのコーディネーターの大役を担っていただきました。このコーディネーターを代表して、K4グループをご担当して感じましたことをご披露いただけますでしょうか。

A3.(下垣コーディネーター、ライセンス第1委員会委員長)

 昨年、第1回目の開催案内を見て「参加したい!」と思ったのですが、都合がつかず参加できず、参加者から評判を聞いてとても残念に感じておりました。そして今回とても楽しみにして参加いたしました。
 K4グループでは「知財リスクマネジメントのポイントは何か(契約、情報、模倣の観点から)」のテーマで議論を行いました。
 参加者から自己紹介と共に希望の議題を挙げてもらい、その中から「米国訴訟でのディスカバリー対策」と「模倣品対策」について議論しました。
 最初は緊張からかぎこちなさもありましたが、次第に発言が活発になりそれぞれの持っている悩みや対策事例などを紹介し合うなど非常に内容の濃い議論が出来たと思います。
 共通する悩みに頷きながら話を聞く場面や、それぞれ業界や立場の違いによる対策方法の差に驚く場面など、皆さん少なからず得られるものがあったのではないでしょうか。
 関西ならではのざっくばらんな雰囲気もあり、終了時には初めて会った人たちとは思えない和やかな議論ができたように感じました。
 知財実務で抱える悩みは共通したものも多く、相談できる相手を得ることの意義は大きいと思います。フォーラム関西のような場は、様々な業界・立場の人たちと知り合う機会として大変有用です。今後ますます多くの方に、このような機会を活用して知財業界の知り合いの輪を広げていって貰えるよう願っています。

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Q4. 関西には少数知財会員会社が多くあり、経営者からは、知財部員が何役もこなすよう、マルチ機能が求められております。K10では、まさにこのテーマを議論していただきましたが、このテーマのコーディネーターを担当して感想をご披露していただけますでしょうか。

A4.(塩川コーディネーター)

 少数知財会員会社の知的財産部員の業務は多岐にわたり、ともすれば一人が全てをこなす「スーパーマン化現象」に陥りやすいという実態が明らかとなりました。人手不足が当たり前、個人商店が当たり前、といった少数知財部の場合、「明日車に引かれたらどうしよう」、「病気になったらどうしよう」という不安、すなわち自分の変わりに仕事を引き継いでくれる人が存在しないという恐怖と日々戦っているのです。極端な例としては知的財産部門が一人しかいない場合などがあり、大規模知財会社の方が想像される状況とは少し異なっていました。我がK10班のみなさんは、兎に角仕事を分散させる、社内外に係わらず使えるものを全て使って業務の連続性を確保するという涙ぐましい努力を行っておられました。皆さん健康第一で頑張りましょう!
 別のトピックとしては、現在のJIPAをはじめとする知的財産関連研修が自社にフィットしていないと感じている方が多いことがわかりました。大手企業向け研修すなわち細分化した専門性の高い研修と、中小企業の成功事例を題材にした研修は多いのですが、比較的大きな企業であって知的財産部門が小さい少数知財に属する私たちにとっては、「帯に短し襷に長し」な研修が少なくないかもしれません。特に現在積極的にJIPA活動に参加しておられない企業の中には、そんな風に感じている企業は多いのではないでしょうか。今後は、班内外で情報交換を行いつつ、具体的な研修案を要望していくことで、前向きに一致しました。フォーラム関西は一日では終りません。まだまだ続きます!

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Q5. 本会には女性知財実務者が27名も参加され、それぞれ多くの役割を果たしていただきました。女性マネジャ・実務者の立場からフォーラム関西についての感想をご披露いただけますでしょうか。

A5.(大森コーディネーター+部下の皆様)

【大森】昨年度に引き続き、コーディネータを務めました。やっぱり楽しかったですねえ。
 総勢10名で、最初は緊張していた方々も、あっという間にリラックスし、積極的に発言して下さいました。昨年度のフォーラム関西K6グループのメンバーで開催している「K6会」も、12月には6回目(忘年会)を迎えました。今年のメンバーの方々にも、是非、参加して戴こうと思っています。これからも、関西知財の『輪』を広げていきますよ!  実行委員長、実行委員の皆さま、事務局の皆さま、本当にありがとうございました!
 さて、今回は、女性知財実務者が昨年度以上に多く参加したんですよね。当社の若手女性2名も、2年連続、元気に参加しましたので、それぞれの意見を聞いてみましょう。
 井手さん、“少数知財部門が広範囲の仕事をこなすためには…”、というテーマでしたね。
 いかがでしたか?

【井手】同じ悩みを抱えているメンバーが多く、一人が口を開けば、周りは大きく頷き、それに対して意見が飛び交うような、とても活発な討論が行われました。懇親会では、シェフが「たこ焼き」を焼いているという、大阪ならではの光景も! 美味しいたこ焼きを食べながら、女性同士で語り合い…、そしてそこに、大先輩の方々も加わって下さり、楽しく情報交換することができました。今後のフォーラム関西に期待します。

【大森】有意義な時間を過ごせたようで、何よりです。今後の業務に活かせますね(笑)。
 では、斉藤さんは?いかがでしたか?率直な意見を聞かせて下さいね。

【斉藤】仕事をする上では「女性」ということを意識したことはありません。が、何故かこういう場に来ると、「グループに女性が何人いるか」が気になります。それは女性がいると、グループの雰囲気が明るくなり、議論が活発化するように感じているからです。そのような「女性」特有の不思議な役割を私が果たせているかはわかりませんが、知財実務者としてスキルアップをし、フォーラム関西をこれからも盛り上げていきたいです。
 昨年度のフォーラム関西で得た一番の財産は、他社の知財実務者とのつながりです。何ヶ月かに1度集まり、自分が何をしたかを報告し合えること、知財協の研修で偶然会って話しかけられること、そんなつながりができたのです。たった1日の集まりでしたが、それをきっかけに多くの方と交流をし、自分の意識を高めていくことができました。これからも積極的に交流し、つながりを広げていくことで、フォーラム関西2012に繋げていきたいと思います。

【大森】私も、知財協で得た一番の財産は「仲間」です。まあ…、私の場合、「呑み仲間」かな。
 そんな「仲間」を、これからも大切にしていって下さいね!

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Q6. 本会のもう一つの目的として、同業種・異業種の会員相互の密接な交流を掲げております。第二部の交流懇親会では、参加者の結束意識を更に高めるため、余興2本を企画し実演いたしました。この余興をご担当頂いた立場から、感想をご披露していただけますでしょうか。。

A6.(菊田建設業種担当理事・実行委員)

 「会場を一体化させる」という大きなテーマをいただき、同時に会場が関西人で占められていることで、ここは「ウケを狙わなあかん」という大きなプレッシャーを感じました。
 田中プロデューサーのシナリオやリハーサルのたびにエスカレートしていくイメージキャラクターに、自分の中では、こんなキャラでないというギャップに苦悩しながらも、担当決めのときに石原さんから言われた「往生際が悪い」という言葉に奮発し、何とか見返したいとの気持ちだけで、リハーサルでの厳しい指導にも耐えることができました。
 開始直前にアシスタント役とネタ合わせをし、「とにかく照れずに、思い切りやりましょう」と声を掛けたのは、それは自分に向けたものだったような気がします。舞台でのしょっぱなの「掴み」も今ひとつで、続く古臭いギャグも笑いを取れずで一気に舞い上がってしまい、あとは会場の反応を冷静に確かめることもできません。果たして最初に頂戴した会場の一体化という課題をクリアしたかは不明です。それは、反省会で訊くことにしましょう。
 久々に、永い一日を体験しました。委員会活動を通して、作り手としての気持ちや一体感など、少し忘れていた感覚を思い起こすことができたのも、委員の皆さんの気持ちが伝染ったからと感謝しています。また関西人特有の「ノリ」で押し切ってしまう強さは、これが、関西パワーとあらためて得心しました。この感覚、多分、関東じゃ解からないだろな〜。

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Q7. 関西会員より、コーディネーター、グループディスカッションに多くの知的財産部員を送り込んで頂きました。関西の会員の立場から、関西でのこの種の知的財産イベントにたいしどのような感想をお持ちでしょうか。

A7.(ダイキン松本知的財産グループ課長)

 知財部の人間は、他社との接触機会が少なく「蛸壷化しやすい」とか、独自のスタイルで「個人商店になりやすい」とか言いますが、それでは大きな進歩も発展も望み薄。それを打ち破るには、他流試合、他社とのコミュニケーションを通じて如何に刺激を受けるか、視野を広げるか、アンテナを高くするか、だと思います。
 とはいえ、その場をJIPAの専門委員会に求めるのは、地理的・スペック的に難しい…、そこで『フォーラム関西!』。
 懇親会付きのセミナーもよくありますが、だいたいは自己紹介で終わってしまい、悩みをぶつけ合える人脈形成までには至りません。そこで『フォーラム関西!!』。
 知財についての考えや悩みを語り合える人脈、刺激を与え合える人脈の形成にはテーマを絞ってディスカッションするというフォーラム関西のスタイルがぴったりです。
 今回、弊社からは8名を参加させましたが、懇親会でも「ダイキンだらけですね」と言われ、ちょっとしたフォーラム関西ジャック状態。当日のディスカッショングループでフォーラム後に改めて集まって更に深いディスカッションの場を持った参加者もいます。このあたりも関西ならではのように思います。フォーラム関西の価値を最大限に活用しているのはきっとダイキン、と自己満足?に浸りながら第3回、第4回…と、フォーラム関西が、関西の地でず〜と開催され続けることを切に望んでおります。

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Q8. フォーラム関西は、JIPAの活動方針「地方活動の活性化」の一環として、前年度に引き続き開催いたしました。今後、本会はJIPA公式行事になるようにお聞きしましたが、今後の展望と期待をお聞かせ願います。

A8.(中山専務理事)

 予算的観点で見ますと、2010年度と2011年度のフォーラム関西の経費は、予備費として計上した中からの使途として処理されています。すなわち、このイベントが、一過性のものか、根付くのかやってみないと分からないという性格のものであったと思います。
 過去2回のこのイベントの盛り上がりは、覗いた人しか分からないところがあるのですが(勿論事務局はホームページにアップして皆さんに雰囲気が伝わるように工夫を凝らしています)、実行委員・事務局が予期した以上のものがあります。この賑わいは、祭りの神輿の担ぎである、参加された方々(男性ばかりでなく、女性も多い)が生み出しており、もはや実行委員・事務局の作品ではなくなっています。彼等・彼女等の主役達が、このイベントの継続が必要と言えば、もはやテンポラリーないベントとして見るわけにはいかないだろうということになるわけで、役員会も公式行事化の方向に動いてます。
 2012年度の予算では、しかるべき活動として経費が確保されると思います。
 懇親会がセットされており、80%以上の人がテーブルディスカッション後も残って参加している。皆さん一様に得るものが多いとコメントされており、“得るものばかりで失うものがない”こんないい企画を、よりブラッシュアップして、関西地域の活性化を図っていただくことを期待しています。

 そんないいイベントなら関東でも開催してはといかがかと思われる方々もいると思われますが、関東は対象人数が多いことと、関東部会の雰囲気などから察する関東の方々のクールさを考えれば、そのようなことは研修で行えばいいのではないかとの反応が返ってくる公算が大きく、動かせないのが実情です。
 お神輿の回りのうちわ扇ぎや、掛け声をかける役回りは自分達がするので“やろうや”と熱く語る方々(フォーラム関西の実行委員的なボランティア)が複数人現れれば、関東版も考えられるのですが。

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それぞれの立場から貴重なご感想・ご意見等を頂戴しありがとございました。参加者より継続開催のご希望を多数頂いておりますので、来年度も実現するよう段取りを進めたく考えております。皆様との再会を楽しみにしております。


以上




JIPA知的財産フォーラム関西
2011年11月29日(火)13:30〜19:30
ANAクラウンプラザホテル大阪
全体プログラム

総合司会・・・渡辺常務理事

機コ会挨拶 (13:30〜)

 河本理事長

供ゥ哀襦璽廛妊スカッション (13:35〜17:20)

◇ディスカッション (13:35〜16:10)
◇グループ発表・質疑応答 (16:20〜17:20)
ジャンル キーワード G.No. コーディネーター テーマ名称 人数
特許実務 明細書 K1A 黒田 訓行 氏
(大和ハウス)
質の高い特許明細書とは何か 7
K1B 長谷川 治雄 氏
(日本合成化学)
質の高い特許明細書とは何か 7
権利化 K2 永野 大介 氏
(パナソニック)
強い特許を獲得するためのポイントは何か 9
グローバル 外国出願 K3 野村 啓輔 氏
(大塚製薬)
中国を含む外国特許出願をうまく進める秘訣は何か 7
リスク管理 K4 下垣 裕一 氏
(TOA)
知財リスクマネジメントのポイントは何か(契約、情報、模倣の観点から) 8
商標実務 ブランド管理 K5 下須賀 涼 氏
(中国電力)
グローバル企業を目指すためのグローバルブランド選定に商標部門はどう関わるべきか 10
人材育成 知財部員 K6 有末 英也 氏
(三菱製紙)
目標とする知的財産部員のあるべき姿は 8
技術者 K7 鈴木 大也 氏
(川崎重工業)
技術者の知財マインドを向上させるには 9
部門連携 K8 大森 明子 氏
(紀伊産業)
知財と技術を繋ぐ仕組みはどうあるべきか 10
知財情報 情報活用 K9 伊東 秀記 氏
(日本触媒)
知財情報を技術開発戦略に活かすには 11
知財中小 マルチ機能 K10 塩川 信明 氏
(ニッタ)
少数知財部門が広範囲な仕事をいかに乗り切るか 9
パートナーシップ 連携深化 K11 井上 二三夫 氏
(シスメックス)
企業実務者と国内特許事務所員とのパートナーシップ 8

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 内藤浩樹副理事長(実行委員長)

交流懇親会 (17:45〜19:30)

  司  会・・・石原元副理事長
  挨拶乾杯・・・中山専務理事
  余興機 ΑΑ西業種担当理事
  余興供 ΑΑΦ禿超伴鐫甘理事
  余興企画・・・田中業種担当理事
  閉会挨拶・・・竹中常務理事

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実行委員会メンバー(敬称略)
 ◇実行委員長
  内藤副理事長
 ◇実行委員
  2011年度関西役員: 宝池、渡辺、長谷川(治)、竹中、西、岡橋、青木、菊田
  2010年度関西役員: 田中、竹内(重複者除く)
  2009年度関西役員: 石原、関口(重複者除く)

 ◇事務局:関西事務所(岡崎、大家、小谷)、東京本部(土屋)


<開催データ>
総参加者数:第一部 131名 第二部 112名

グループディスカッション:103名(正会員96名、賛助会員7名)
オブザーバー:10名

以上


岡崎 秀正(日本知的財産協会 関西事務所長)

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