役員談話室

第2回中少数知財会員フォローアップ研究成果発表会を振り返って

2014年度の研究グループは前回にも増して有意義な活動となりました。
本年1月27日の発表会に先立ち、発表者より資料を受領しましたが、その中に発表用のパワーポイントに加え、「知財管理 虎の巻」(ダイジェスト版)なるものが含まれておりました。その中身を見ましたところ、知的財産諸業務を上手く推進するための秘訣、押さえどころ、留意すべきことなどを業務単位ごとに纏められておりました。
少数の知財部員が全方位の知的財産業務をこなすための正に虎の巻でありました。お聞きするところ、過去2年間、この種の議論を重ねて来られたとのことでした。

第一部の研究成果発表では、「中少数知財における知財管理についての研究〜中少数知財での知財マネジメントの在り方〜」をテーマとして、少数の知財部員が知財活動に挑む事例紹介に始まり、本研究会の活動概況とキーポイント、そして、虎の巻の解説など、発表者より熱弁が振るわれました。
発表者の会社は、JIPAに入会していたものの、JIPA行事への参加は研修会のみでしたが、その後、本フォローアップ会に出会い、参加することにより同じスタンスの多くの方々との情報交換・意見交換を通じて、いわゆる「気づき」を得られ、自社の知財活動に反映されているとのことでした。

第二部は、参加者が6つのグループにわかれ、虎の巻の一テーマについてグループディスカッションがなされました。虎の巻の議論が深まったようでした。

第三部は、本フォローアップ会の5周年特別講演であり、JIPA研修の講師を務めて頂いている岩坪弁護士、速見弁護士により、権利行使心得10箇条をテーマに講演していただきました。
この講演では、研究メンバーも演者として参加し、弁護士が権利者(原告)・被疑者(被告)を演じられ、三者の掛け合い方式により、権利行使の各ステージでの心得を解説されました。 10箇条は何れも含蓄があり、紛争経験・訴訟経験の少ない会員には、有事の際の行動指針になるものでした。本フォローアップ会の5周年記念イベントは、これをもって、お開きとなりました。

その後、参加者の多くが懇親会にも参加され、更なる交流を深められました。
なお、同じ課題を有している東京都知的財産総合センターからオブザーバーとして、ご参加なされました。
次年度は、東海地区・中四九地区に拡大して開催する予定であり、多くの方々にご参加頂けるよう期待いたします。

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プログラム

  1. 研究会代表挨拶:下垣リーダ−(TOA株式会社)
  2. 研究成果発表
    テーマ:「中少数知財における知財管理についての研究
          〜中少数知財での知財マネジメントのあり方について〜」
    発表者:黒田 智子 氏(第一稀元素化学工業株式会社)
  3. グループ討議
  4. 特別講演
    テーマ:訴訟弁護士からみた知財部員が知っておきたい権利行使心得10箇条
    講演者:岩坪 哲 弁護士、速見 禎祥 弁護士
         大野 泰寛 氏(東リ株式会社)

以上

岡崎 秀正(日本知的財産協会 関西事務所長)

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