会務報告&部会報告

建設部会（第1回）

時	５月１３日（金）１４：３０～１７：００（Ｗｅｂ受付　１４：００～１４：３０）
所	各社（Ｗｅｂ開催）
人	田中業種担当役員､大森､長谷部、犀川各幹事４５社　７７名　ゲスト　　１社　　２名

議　事

１．業務報告

田中業種担当役員から挨拶があり、年度計画は２０２１年度の第５回部会提示から変更はなく、第２回部会以降は決定していない。コロナ禍のため基本はＷＥＢ開催と考えているが、可能であればハイブリット開催を検討したい。次回はオンライン見学会を計画している旨が説明された。
次に、５月のＪＩＰＡ理事会の報告と、５/１８（水）に幹事団で特許庁を訪問し、本年度の挨拶、第４回部会の行政報告等のお願いを行う予定である旨が報告された。

２．２０２１年度会計報告

前年度の大森幹事より２０２１年度の会計報告があった。収入の部は協会からの補助費、支出の部は第４回の会場キャンセル代や第５回のオンライン配信代行業者依頼が主な項目であり、収支をＪＩＰＡ本部に報告して了承された。

３．２０２２年度研究会活動連絡

田中業種担当役員から今年度の研究会について説明があった。本年度テーマを会員企業から募集したところ、７名から１５テーマが挙がり、幹事団で協議した結果「知財ガバナンス」に決定した。
このテーマは、昨年のコーポレートガバナンス・コードの改定を契機に「経営に資する知財」の視点が注目される中、日々の知財業務がいかに経営に結びついているかの事例研究や勉強を行い、将来、コーポレートガバナンス報告書について経営層から問われた場合、少しでも知識があるという事を目指すものである。７月から月１回の開催で５回程度を想定しており、６/１３（月）を期限に１２名程度を募集する。

４．講演会

演題	「研究開発の俯瞰から見えてきた環境・エネルギー分野動向」
講師	国立研究開発法人科学技術振興機構研究開発戦略センター環境･エネルギーユニットフェロー／ユニットリーダー　中村亮二氏

講演概要

（１）研究開発の俯瞰報告書の概要

研究開発戦略センター(以下、ＣＲＤＳ)は、文科省所管である科学技術振興機構(ＪＳＴ)内のセンターであり、文科省に限らず日本の科学技術イノベーション政策推進への貢献を意識している。
産業界や大学・公的研究機関の研究者からの情報収集・研究や関連学協会とのワークショップから「研究開発の俯瞰報告書（以下、俯瞰報告書）」を隔年で作成している。２０２１年版は下記の４分野が発行されており、テーマによっては、相互に補完的に作成されている。

環境・エネルギー分野
システム・情報科学技術分野
ナノテクノロジー・材料分野
ライフサイエンス・臨床医学分野

今回の講演は、環境・エネルギー分野における俯瞰報告書の概要を説明するものである。

（２）環境・エネルギー分野の動向

①俯瞰報告書は総論と各論の２部で構成されている。総論となる環境・エネルギーを取り巻く状況は、現在は世界情勢により流動的であるが、報告書作成当時は、ＥＵがカーボンニュートラル（以下、ＣＮ）をリードして行く形で、ＣＮに向けた動きが各国で活発であった。

②各論として、３０の研究開発領域で何が起こっているかを纏めてあり、その中で注目する１６の動向がピックアップされる。また、そこには共通するトレンド（個別技術の高精度化・高解像度化、知の総合化・統合化と技術間の協調・調和、仮想化・知能化）が見られる。

③今後の展望・方向性として、社会の移行（緩和、適応、強靭、循環）を推進する研究開発がより重要になると結論づけられる。

④日本の研究開発力の現状を２０１９年版と２０２１年版で比較して、３０の研究開発領域におけるトレンドや強み・弱みを分析したところ、多くは中程度であり、弱みを強みに変えるべく、これらの底上げが重要と考えられる。そのためには、ＣＮ実現に向けた候補技術の社会実装への加速や、既存の候補技術に代わる将来技術を育てる土壌作りが急務である。

⑤前述の１６の動向からトピックスとし挙げられるのは、仮想空間において将来の事象を予測するデジタルツイン、自然災害や気候変動リスクに対応する近未来予測、バイオマスをＣＯ２吸収源としたネガティブエミッション技術である。

⑥俯瞰報告書はＨＰで公開されているので、掘り下げた内容は報告書を確認していただきたい。

（３）質疑応答

日本における風力発電の研究開発を上昇トレンドにするための見解を教えていただきたい。
→大学や公的機関の基礎研究成果やノウハウが、実現の際に直面する課題の解決に貢献できるよう、科学に基づいた技術を日本が持てる事を期待している。
ＣＮ実現に向けて、家族にどのように話して理解・行動してもらえば良いか？
→例えば気候変動予測で、２０年後には地球の気温が１．５℃上昇する等、身近な時間軸の予測結果を見せる事が大切と考える。
デジタルツインの論文数の表に日本がない理由は何か？
→「デジタルツイン」というワードを使った論文が少なかったためであり、全くないわけではない。２０位台であったと記憶している。
現状では国の支援が十分でないと思われるが、建設業界では工程管理等で既にＤＸを使っていると聞いている。
海洋アルカリ化について説明をいただきたい。
→大規模になるためコストが高い事や、海洋生態系への影響を十分に確認する必要もあり、加速して行く状況にはないと考える。

５．会員紹介、その他連絡事項

参加者リスト順に各社顔出しを行ない、会社名・氏名・抱負等の挨拶を行った。
次回は７/８の開催予定である連絡があった。

以上　　　　　

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