外国特許ニュース
〈中国〉2017年の中国特許出願等統計情報
- 主要な統計数値について
- 2017年の中国における発明専利（特許）出願件数は138万件余りで，前年同期より４万件余り増加した。
- 42万件の発明専利が付与された。このうち32.7万件が国内からの発明届出であり，前年同期より8.2％増加した。
- 2017年にSIPOが受理したPCT出願は5.1万件であり，前年同期より12.5％増加した。そのうち中国国内からの申請は4.8万件であり，前年同期より12.5％増加した。
- 2017年，一帯一路構想に含まれる国々への中国からの専利出願数は5,608件，前年同期より16.0％増加した。インドへは2,724件，ロシアへは1,354件の出願があった。一帯一路の国々から中国 への専利出願数は4,319件，前年同期より16.8％増加した。中国への専利出願国数は41カ国であり，前年より４カ国増加した。
- 2017年の全中国での専利行政執行事件の総数は6.7万件，前年同期より36.3％の増加。そのうち，専利紛争は2.8万件（専利侵害訴訟2.7万件が含まれる）であり，前年同期より35.0％の増加。 また，3.9万件の専利詐称事件（特許製品ではないものに特許製品表示をして欺く行為など）が調査され，前年同期より37.2％増加した。
- 2017年統計の主要な特徴
第一に国内出願件数が増加している。昨年に比べ，国内発明専利出願件数は約４万件，発明専利付与件数は約２万件増加した。発明専利出願総数における国内からの出願件数が占める割合は90.2％， 保有される発明専利のうち国内出願が占める割合は67.8％に達した。
第二に，革新の柱として中国企業の地位がさらに強固となった。2017年は，国内発明専利出願のうち，企業による出願の占める割合は63.3％であり，発明専利保有数では66.4％を占め， それぞれ2016年より1.6％と0.9％増加した。
第三に，中国企業の外国出願は絶えず増加している。2017年には100件以上のPCT出願を行った国内企業は44社に上り，2016年に比べ18社増加した。
第四に，一部の領域で，国内と外国とで専利保有数のギャップが残っている。WIPOに分類される35の技術分野２），３）において，2017年に，国内から出願された発明専利保有数が 外国から出願された発明専利保有数より多い分野は2016年に比べて１分野（半導体）増加し４），30分野となった。光学，医療技術，エンジン，AV技術，運輸の５分野ではわずかな 件数の違いがあるのみである。しかし，10年以上にわたり保有されている発明専利の数という観点からみると，29の技術分野において外国の発明専利の数よりも少ないため，依然として高価値の中核専利を積極的に育成する必要がある。
統計に関する記事は以下中国日報のサイトにも掲載されている５），６）。
（参考ウェブサイト）
１）SIPO：“图文直播：国家知识产权局2017年主要工作统计数据及有关情况新闻发布会”
http://www.sipo.gov.cn/twzb/gjzscqj2017nzygztjsjjygqkxwfbk/index.htm
２）WIPO：“IPC and Technology Concordance Table”（WIPOの35分野について）
http://www.wipo.int/meetings/en/doc_details.jsp?doc_id=117672
３）WIPO：“Patent Cooperation Treaty Yearly Review−2017”（2016年までのWIPO統計資料）
http://www.wipo.int/edocs/pubdocs/en/wipo_pub_901_2017.pdf
４）中央人民政府：“知识产权局介绍2016年主要工作统计数据及有关情况”
http://www.gov.cn/xinwen/2017-01/19/content_5161227.htm#allContent
５）中国日報“China sees double-digit increase in invention patent applications”
http://www.chinadaily.com.cn/a/201801/04/WS5a4deed7a31008cf16da51f5.html
６）中国日報“SIPO：Invention patent applications surge in 2017”
http://www.chinadaily.com.cn/cndy/2018-01/11/content_35479464.htm
（参照日はすべて2018年２月13日）
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