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専門委員会成果物
裁判地防衛の放棄は連邦巡回法（Federal Circuit law）の問題であることを明確にした事例
CAFC判決 2018年11月14日In re：Oath Holdings Inc., et al.
［経緯］
AlmondNet, Inc., Datonics, LLCとIntent IQ, LLCは，2016年３月にOath社（Ｏ社）を特許侵害でニューヨーク東部地裁に提訴した。Ｏ社は，2017年１月に裁判地を認める一方，
法律変更に基づいて裁判地を争う権利を保持するとした答弁書を提出した。
Ｏ社は，2017年５月に下されたTC Heartland最高裁判決（TC Heartland LLC v. Kraft Food Group Brands LLC, 16-341 S.Ct.（2017））「特許訴訟の裁判地は，被告が 米国企業の場合，�）／妖佻燭靴討い訝蓮い泙燭廊�定常的に確立したビジネスの地でなければならない」を引用して，同最高裁判決の21日後に「ニューヨーク東部地裁は 適切な裁判地ではない」として本事件の却下を申し立てた。
地裁は，Ｏ社が裁判地に関して異議を申請しなかったことを理由に，裁判地防衛（venue defense）を放棄しているとして，その申立を却下した。Ｏ社は，これを不服として， 同地裁に却下申立を認めさせるようCAFCに職務執行令状（writ of mandamus）を請求した。
CAFCは，2017年11月に下されたIn re Micron判決（In re Micron, 875 F.3d 1091, 1102（Fed. Cir. 2017））「訴訟早期に裁判地異議を申立てなかったことは，連邦民事訴訟 規則12（g）（2）及び（h）（1）（A）に基づく裁判地防衛の放棄に当たらない」を引用して，地裁が取下請求の却下を再考することが適切と判示した。
Ｏ社は，上記判示を受けて同地裁に再考を申し立てたが，同地裁は再び却下した。これを不服として，Ｏ社はCAFCに再度，職務執行令状を請求した。
また，同地裁におけるＯ社の訴訟対応は，連邦民事訴訟規則12（g）（2）及び（h）（1）（A）に基づく裁判地防衛の放棄に当たらないとして，職務執行令状を認め，本事件の取下げ， 又は移送を認めるよう地裁に差し戻した。
Ｏ社は，2017年５月に下されたTC Heartland最高裁判決（TC Heartland LLC v. Kraft Food Group Brands LLC, 16-341 S.Ct.（2017））「特許訴訟の裁判地は，被告が 米国企業の場合，�）／妖佻燭靴討い訝蓮い泙燭廊�定常的に確立したビジネスの地でなければならない」を引用して，同最高裁判決の21日後に「ニューヨーク東部地裁は 適切な裁判地ではない」として本事件の却下を申し立てた。
地裁は，Ｏ社が裁判地に関して異議を申請しなかったことを理由に，裁判地防衛（venue defense）を放棄しているとして，その申立を却下した。Ｏ社は，これを不服として， 同地裁に却下申立を認めさせるようCAFCに職務執行令状（writ of mandamus）を請求した。
CAFCは，2017年11月に下されたIn re Micron判決（In re Micron, 875 F.3d 1091, 1102（Fed. Cir. 2017））「訴訟早期に裁判地異議を申立てなかったことは，連邦民事訴訟 規則12（g）（2）及び（h）（1）（A）に基づく裁判地防衛の放棄に当たらない」を引用して，地裁が取下請求の却下を再考することが適切と判示した。
Ｏ社は，上記判示を受けて同地裁に再考を申し立てたが，同地裁は再び却下した。これを不服として，Ｏ社はCAFCに再度，職務執行令状を請求した。
［CAFCの判断］
In re Micron判決では連邦巡回法（Federal Circuit law）または第１巡回区の法（First Circuit law）のどちらが適用されるか不明確であったが，連邦民事訴訟規則1391及び 1400（b）の解釈とこれに基づく裁判地防衛の放棄は，第１巡回区の法ではなく連邦巡回法の問題であることを明確にし，地裁がIn re Micron判決を引用していないのは誤りと判示した。また，同地裁におけるＯ社の訴訟対応は，連邦民事訴訟規則12（g）（2）及び（h）（1）（A）に基づく裁判地防衛の放棄に当たらないとして，職務執行令状を認め，本事件の取下げ， 又は移送を認めるよう地裁に差し戻した。
（濱口 礼雅）
