専門委員会成果物

欧州特許庁,カンボジアとの有効化協定(validation agreement)の発効を発表

 2018年3月1日,欧州特許庁(EPO)は,欧州特許のカンボジアでの有効化を可能とする協定が当日発効したことを発表した。
 本発効により,欧州特許を出願した発明者および企業がカンボジアでの有効化を要求することが可能となった。欧州特許庁によって付与され,カンボジアで有効化された欧州特許は, 今後カンボジアの国内特許と同じ法的効力を有し,カンボジアの特許法に従うこととなる。
 EPO長官Benoît Battistelliは,この新たな進展の意義について以下のように説明している。「カンボジアとの有効化協定の発効は,欧州を超えて欧州特許システムの魅力を広げることになる。 それは,出願人にとっての出願の処理時間およびコストの両方の低減,およびカンボジア特許庁にとっての管理負担の低減を表すものである。欧州特許庁と工業手工芸省との間の技術的協力は, カンボジアの国家特許制度の発達に寄与することになろう。欧州特許の有効化は,カンボジアにおける外国投資戦略の重要な要素でもある。」
 アジアの国によって欧州特許が認知されたことは,特にダイナミックな発展を遂げている地域にとって,欧州特許が国際的な適合性(global relevance)を有することの一層の証拠である, とEPOは発表の中で述べている。
 カンボジアは,東南アジアの地域で最も成長の速い経済国の1つであり,平均成長率が世界のトップ7の中にある。同国は現在,経済を促進し,海外直接投資を引きつけるために, 知的所有権システムの現代化を進めている。
 本有効化協定は2017年に署名され,モロッコ,モルドバ共和国およびチュニジアに続いて4番目に発効されたことにより,単一の欧州特許出願に基づいて特許保護が得られる国の数は44か国となった。

EPOニュース(2018年3月1日)

https://www.epo.org/news-issues/news/2018/20180301.html
(参考)EPOニュース(2017年1月23日)

https://www.epo.org/news-issues/news/2017/20170123.html
(参考)欧州特許の有効化国(EPO)

https://www.epo.org/about-us/foundation/validation-states.html
(参照日:2018年3月18日)

(小野寺 正徳)

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