- トップ
- 協会活動
- 専門委員会成果物
- 外国特許ニュース（2018）
- 10月号 欧州（１）
専門委員会成果物
欧州特許庁（EPO）がカナダ知的財産庁（CIPO）との協力を強化
EPOのBattistelli長官（会談当時）は，特許に関する包括的な二国間協力プログラムの立ち上げのために，サンフランシスコにてCIPOのBélisle CEOと会談した。
この会談はIAM誌主催の第11回IPBC Global会議に併せて開催され，両庁間でCIPOでのCPC（Cooperative Patent Classification）の導入に関する覚書と，二国間協力に関する覚書が締結された。
両覚書は，今回併せて締結された2018〜2020年にかけての２年間のWork Planを通じて実行される予定である。
これらの締結を受けて，EPOのBattistelli長官は，以下のように述べた。
「我々は，CIPOとの協力を強化し，特にCIPOでのCPC導入についての覚書を締結できたことを非常に喜んでいる。この覚書により，世界中で27の特許庁が，洗練された特許分類の新たな グローバルスタンダードであるCPCスキームを用いることになるため，グローバルな特許制度の向上に寄与するだろう。
また，カナダは欧州企業からの貿易と投資の主要な目的地であるため，この協力関係は，欧州及びカナダの両地域の企業やイノベーターにとって非常に有益であろう。」
また，CIPOのBélisle CEOも，以下のように述べた。
「欧州連合（EU）は，カナダ企業の知的財産権の出願先のトップの１つであり，我々としては，EPOとの協力を強化できてうれしく思う。これにより，品質の高い知財サービスの提供を増進させ， カナダと欧州におけるイノベーターと起業家のビジネス目標の達成をさらにサポートすることができる。」
カナダ企業は，2017年の欧州特許出願の件数が1,514件に上り，非EPO加盟国の中では第６位の欧州特許出願の出願人となる。一方で，欧州（EPC）起源のCIPO特許出願の件数は，2016と 2017年の各年においてほぼ10,000件に達し，その件数は，各年のCIPO特許出願の総件数のほぼ３分の１に相当する。
欧州-カナダ間のイノベーションと二国間貿易の促進の観点でも，この協力は，重複作業の回避と係属期間の削減に加え，高品質で迅速かつ費用対効果の高い審査の提供を実現することで， 両地域からの出願人に大きな利益をもたらすことが期待されている。
二国間協力に関する覚書は，特許データとそのデータベースの使用や交換だけでなく，権利化手続，検索ツール，審査，品質管理の分野での統合的な活動も見越している。
CPCに関する覚書の締結は，CIPOが他の特許庁と同じ分類スキームを順守することで，異なる地域にまたがる特許文書内の技術情報にユーザー及び専門家がアクセスすることを容易にし， 最終的に特許の質を向上させる道を開くことになる。
すでに今年１月に，EPOとCIPOは，特許出願の審査を加速させる特許審査ハイウェイ（PPH）プログラムの期限をさらに３年延長した。
EPO-CIPO間の重要な協力プログラムの立ち上げは，2017年９月のEU-カナダ間の包括的経済貿易協定（CETA）の暫定的な発効を通して最高の戦略的経済的水準に到達した欧州-カナダ間の 歴史的なパートナーシップのさらなるマイルストーンとなる。
EUとカナダはすでに主要な貿易相手国であり，CETAは，二国間貿易と投資をさらに拡大させることが期待されている。EUは，米国に次ぐカナダ第２位の貿易相手国であり，2016年に世界での 商品貿易の9.6％を占めた一方で，カナダは，2016年にEUの対外商品貿易総額のほぼ２％を占めた。
EU-カナダ間の商品貿易額は2016年に643億ユーロに達し，サービス貿易額は2015年に301億ユーロに達した。
なお，EPOは，今回のCIPOとの協力強化以外にも，欧州内及び国際的な協力を促進／発展させている。具体的には，欧州特許機構の加盟諸国との協力，欧州外の各国特許庁との二国間協力， WIPOやIP5等の組織を通じた複数国間協力に加え，EU及びOECD等の特許システム外の国際組織との協力等である。
この会談はIAM誌主催の第11回IPBC Global会議に併せて開催され，両庁間でCIPOでのCPC（Cooperative Patent Classification）の導入に関する覚書と，二国間協力に関する覚書が締結された。
両覚書は，今回併せて締結された2018〜2020年にかけての２年間のWork Planを通じて実行される予定である。
これらの締結を受けて，EPOのBattistelli長官は，以下のように述べた。
「我々は，CIPOとの協力を強化し，特にCIPOでのCPC導入についての覚書を締結できたことを非常に喜んでいる。この覚書により，世界中で27の特許庁が，洗練された特許分類の新たな グローバルスタンダードであるCPCスキームを用いることになるため，グローバルな特許制度の向上に寄与するだろう。
また，カナダは欧州企業からの貿易と投資の主要な目的地であるため，この協力関係は，欧州及びカナダの両地域の企業やイノベーターにとって非常に有益であろう。」
また，CIPOのBélisle CEOも，以下のように述べた。
「欧州連合（EU）は，カナダ企業の知的財産権の出願先のトップの１つであり，我々としては，EPOとの協力を強化できてうれしく思う。これにより，品質の高い知財サービスの提供を増進させ， カナダと欧州におけるイノベーターと起業家のビジネス目標の達成をさらにサポートすることができる。」
カナダ企業は，2017年の欧州特許出願の件数が1,514件に上り，非EPO加盟国の中では第６位の欧州特許出願の出願人となる。一方で，欧州（EPC）起源のCIPO特許出願の件数は，2016と 2017年の各年においてほぼ10,000件に達し，その件数は，各年のCIPO特許出願の総件数のほぼ３分の１に相当する。
欧州-カナダ間のイノベーションと二国間貿易の促進の観点でも，この協力は，重複作業の回避と係属期間の削減に加え，高品質で迅速かつ費用対効果の高い審査の提供を実現することで， 両地域からの出願人に大きな利益をもたらすことが期待されている。
二国間協力に関する覚書は，特許データとそのデータベースの使用や交換だけでなく，権利化手続，検索ツール，審査，品質管理の分野での統合的な活動も見越している。
CPCに関する覚書の締結は，CIPOが他の特許庁と同じ分類スキームを順守することで，異なる地域にまたがる特許文書内の技術情報にユーザー及び専門家がアクセスすることを容易にし， 最終的に特許の質を向上させる道を開くことになる。
すでに今年１月に，EPOとCIPOは，特許出願の審査を加速させる特許審査ハイウェイ（PPH）プログラムの期限をさらに３年延長した。
EPO-CIPO間の重要な協力プログラムの立ち上げは，2017年９月のEU-カナダ間の包括的経済貿易協定（CETA）の暫定的な発効を通して最高の戦略的経済的水準に到達した欧州-カナダ間の 歴史的なパートナーシップのさらなるマイルストーンとなる。
EUとカナダはすでに主要な貿易相手国であり，CETAは，二国間貿易と投資をさらに拡大させることが期待されている。EUは，米国に次ぐカナダ第２位の貿易相手国であり，2016年に世界での 商品貿易の9.6％を占めた一方で，カナダは，2016年にEUの対外商品貿易総額のほぼ２％を占めた。
EU-カナダ間の商品貿易額は2016年に643億ユーロに達し，サービス貿易額は2015年に301億ユーロに達した。
なお，EPOは，今回のCIPOとの協力強化以外にも，欧州内及び国際的な協力を促進／発展させている。具体的には，欧州特許機構の加盟諸国との協力，欧州外の各国特許庁との二国間協力， WIPOやIP5等の組織を通じた複数国間協力に加え，EU及びOECD等の特許システム外の国際組織との協力等である。
EPOニュース（2018年６月12日）
https://www.epo.org/news-issues/news/2018/20180612.html
欧州内及び国際的な協力について
https://www.epo.org/about-us/services-and-activities/international-european-cooperation.html
Cooperative Patent Classification（CPC）
http://www.cooperativepatentclassification.org/index.html
（参照日：2018年８月17日）
（小林 宏伸）
