専門委員会成果物

植物分野のイノベーションを支援:欧州特許庁と欧州植物品種庁が二庁間相互協力を延長

欧州特許庁(EPO)および欧州植物品種庁(CPVO)は,協力協定を更新しさらに3年間延長することで,植物分野のイノベーションに対する支援を一層進めることとした。
 両庁は今後,協力関係の成果をより広く公衆に拡大する方法について検討していく。検討内容には,トレーニングツールを一般に共有する手段や,EPOのデータベースを 介してCPVO文書へのアクセスを提供する手段が盛り込まれている。
 「両庁間の協力関係は,相互の役割の透明性を高め,理解を深めることによって,植物分野のイノベーションを効果的に進めるための健全で信頼できる基盤を 生み出している。」とEPO長官のAntonio Campinos氏はコメントした。CPVO長官のMartin Ekvad氏は,組織間の関係を強化するための取り組みにかなりの進展が みられていることを歓迎し,「CPVOは,技術レベルと政策レベルにおけるEPOとの良好な協力関係を喜んで維持していきたい。」と所見を述べた。
 CPVOは,新しい植物品種に知的財産権を付与するEUシステムを管理するEU機関であり,自ら資金調達を行っている。これまでのEPOとCPVOとの協力関係は, 欧州機関,EU加盟国,利害関係者,および一般の人々の間で非常によく受け入れられている。これまでの主要な成果には,以下の3つが挙げられる。
  • 植物関連の発明および植物品種保護に関するそれぞれの技術および法律の専門家による,2つの二庁間ワークショップを組織した。
  • 植物分野のイノベーションへの支援に関する合同公共会議を開催した。
  • より高品質のサーチおよび審査結果を特許出願人に提供することを可能にする,植物分野のEPO審査官が使用するための植物品種に関するデータベースを開発した。

EPOニュース(2018年10月26日)
https://www.epo.org/news-issues/news/2018/20181026.html
(参考)EPOニュース(2016年2月11日)

https://www.epo.org/news-issues/news/2016/20160211a.html
(参考)EPOニュース(2016年9月23日)

https://www.epo.org/news-issues/news/2016/20160923.html
(参照日:2018年11月19日)

(小野寺 正徳)

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