専門委員会成果物

欧州特許庁が戦略計画2023を公開

欧州特許庁(EPO)は,世界有数の知的財産庁の1つとして卓越した役割を果たすという意欲的なビジョンを設定した。
 今回設定された戦略計画(SP2023)は,管理理事会により全会一致で採択され,EPOが全てのステークホルダーに卓越性を提供することを保証する5つの目標 (職員のエンゲージメント,IT近代化,品質,欧州特許ネットワーク,持続可能性)の達成に焦点を当てている。また,それぞれに主な活動方針と今後4年間で 展開するプロジェクトが強調されており,現在の計画の範囲を拡張するものも含まれる。
 「この戦略計画は,EPOを将来どのようにしたいのか,それをどのように達成するのかについての明確なビジョンです」とEPO長官は述べた。「我々が 現在掲げるのは,欧州の特許庁がより持続的であるためのロードマップであり,進化するIPランドスケープでの成功に備えるものです。我々は,より 適応性が高く機敏な組織になることを目指しており,改善された応答性の高いサービスであらゆる場所の発明者をサポートします。これは意欲的かも しれませんが,職員の責任と専門知識をもって達成可能であると信じています。」
 戦略計画は,ネットワーク化およびグローバル化が進む世界経済,新たな特許システムプレーヤーの出現,進化するステークホルダーの期待および 急速な技術変化を含む複雑で新たな困難に特許庁が立ち向かうことを助けるものになるだろう。
 本戦略計画では,次の5つの目標が特定されている。

− 愛着が持てる,知識豊富で協力的な組織の構築
− EPOのITシステムの簡素化と近代化
− 高品質な成果とサービスの効率的な提供
− グローバルな影響を持つ欧州特許システムおよびネットワークの構築
− 長期的な持続可能性の確保

 SP2023は,38のEPO加盟国,特許システムユーザー,一般人,知的財産庁およびEPO職員との2回のコンサルテーションを経て策定された。

EPOニュース(2019年6月27日)
https://www.epo.org/news-issues/news/2019/20190627.html

EPOプレスリリース(2019年6月27日)
https://www.epo.org/news-issues/press/releases/archive/2019/20190627.html

(参照日:2019年9月19日)    

(三輪 恵)

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