専門委員会成果物

EPOユーザデイ2019開催:戦略計画,オンラインサービス,持続可能な技術に関してユーザと協議

 今年のユーザデイには,110の企業から,160人以上が参加した。ユーザデイは,EPOにとってはユーザから直接フィードバックを受けることができる機会であり,知的財産の専門家達にとっては彼らの経験を共有し,手続的・技術的な問題についてEPOのエキスパートと顔を合わせて議論することができる機会である。
 この恒例行事は9月24日にハーグで開催され,19か国から弁理士,パラリーガル,その他知的財産のスペシャリストたちが参加した。本イベントは,対話形式の複数の全体会議と,EPOのオンラインサービス,異議申立および審判手続き,持続可能な技術といった主要テーマについてのワークショップが特徴である。

 会議の冒頭では,EPOにおけるモビリティ&メカトロニクス分野の最高執行責任者であるRoberta Romano-Götsch氏が,EPOの最近の情報や,戦略計画2023において設定した今後数年の政策方針について紹介した。“今日の急速な特許状況の進化の中で,我々は機敏さを維持し,ユーザのニーズの変化に対応する必要がある。ユーザからのフィードバックは,我々にとって高品質な特許と効率的なサービスを届け続けることの助けのために必要不可欠なものである。我々はイノベーションをサポートするというミッションを遂行し,より洗練され,安全で持続的な世界に寄与することができる。”
 午後の基調講演で,Romano-Götsch氏はモビリティの未来,特許,そして気候変動に対する持続可能な技術の世界的な競争がもたらす利益について講演した。他の全体会議では, 欧州特許の認可までの手続きの品質と適時性が焦点となった。また,全体会議では,新しいEspacenetのデモンストレーションも行われた。新しいEspacenetはまもなく運用が開始され,EPOの膨大な特許および技術のデータベースが産業界,投資家,研究者,政策立案者にとって更に良い情報源となるだろう。
 体験型ワークショップでは,参加者は様々なツールやサービス,例えばウェブを利用した電子出願やPCT出願について学び,試験的に使用することができた。会議の プレゼンテーションの内容は,イベントのウェブサイトから入手可能である。

更なる情報は,下記EPOウェブサイトを参照
https://www.epo.org/learning-events/events/conferences/2019/user-day-the-hague.html

EPOニュース(2019年9月30日)
https://www.epo.org/news-issues/news/2019/20190930.html

(参照日:2019年10月11日)

   

(秋山 聡)

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