専門委員会成果物

Espacenetの最新版をリリース

 欧州特許庁(EPO)は,新たなEspacenetをリリースした。このEspacenetが備える最先端の機能により,ユーザは更に容易に特許検索を実行し,1億1,000万件以上の世界各国の特許文献に無料でアクセスすることができる。
 「特許情報は,知的財産に関わる全ての人にとって極めて重要なリソースであり,我々は,新たなEspacenetの立ち上げにより,そのリソースに対して,よりアクセスし易くするというコミットメントを果たしている。」と EPO長官のAntónio Campinos氏は述べている。「この新たなEspacenetにより,発明者は最新技術をよりよく評価することができ,企業はより多くの情報に基づいて戦略的意思決定を行い,政策立案者は特許状況をよりよく理解することができる。これは最終的に,特許情報へのアクセスが効果的な知的財産活動を支援し,効果的な知的財産活動は経済活動に資するからである。」
 1998年に最初のEspacenetがリリースされて以来,このツールの主な目的は,EPOユーザをあらゆる地域の最新の 特許記録と結び付けることであった。近年の特許翻訳機能の追加により,英語,フランス語,ドイツ語から,欧州およびアジアの32の言語への高品質の即時翻訳が可能になり,Espacenetが提供する情報へのアクセスが拡大された。

 Espacenetの最新版には,以下のような新機能がある:

  • より容易な検索を可能にする調整容易な検索式作成機能
  • より情報量が豊富で,すっきりとし,応答性の高い検索結果リスト
  • 検索結果のフィルタリング
  • パテントファミリー全体の法的ステータスの概要の改善
  • 種々のデバイスでの検索に対応したレスポンシブデザイン
 新たなフィルタリングツールは,最頻出の分類,出願人,発明者,所属を表示し,ユーザは,検索式を改良して検索結果を改善させることができる。
 「Advanced search」機能は,柔軟且つ動的であり,ユーザは,論理関係をグラフィカルに視覚化しながら,広範な書誌フィールドを組み合わせて,カスタマイズされた複雑なブーリアン・クエリを構築することができる。
 ユーザは,検索途中であっても検索結果を失わずに「Advanced search」モードと「Smart search」モードとを切り替えることができる。

(参考情報)
EPOニュース
https://www.epo.org/news-issues/news/2019/20191119.html

(参照日:2019年12月19日)

   

(橋本 瑛一)

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