外国特許ニュース

〈台湾〉特許出願における第三者からの意見書作業要点を制定・施行

　専利法施行細則第39条に規定の，特許出願に対する第三者からの意見書提出，いわゆる情報提供制度について，実務上の詳細を規定した「特許出願における第三者からの意見書作業要点」が2020年８月25日に交付され，2020年９月１日より施行された。
　台湾では日本特許法施行規則第13条の２や中国特許法施行規則第48条の規定を参考に，2013年１月１日施行の改正特許法施行規則において第39条を新設し，情報提供制度を導入した。今般制定，施行された作業要点では，第三者からの意見書の提出期間，提出理由，意見書の処理原則等の詳細について10項目が規定された。以下にその一部を紹介する。
  • 提出時期：特許出願の査定前に提出するものとする（項目２）
    　「査定前」には，初審および再審査査定前が含まれる
  • 提出理由：第三者による特許出願が特許法第46条の規定に違反し，特許を付与すべきでない場合，第三者の意見を提出するものとする（項目３）
    　「特許法第46条の規定」は以下の通り
    　特許出願案が第21条から第24条，第26条，第31条，第32条第１項，第３項，第33条，第34条第４項，第43条第２項，第44条第２項，第３項又は第108条第３項の規定に違反する場合，特許を付与しない査定を下さなければならない
  • 意見書の処理原則�　�提出された意見が具体的でない，内容，理由が明らかに特定できない場合，規則に沿って意見が提出されない，対象特許出願が審査されない，取り下げられた場合には，当局は意見書に対応しない場合がある（項目７）
  • 意見書処理原則�◆�第三者が意見を提出した後，当局は意見提出の事実を特許出願人に通知するものとする（項目８）
  • 意見書処理原則��：第三者が意見を提出した後，当局は意見の取り扱いおよび特許出願の審査結果を第三者に通知する必要はない（項目９）
  • 意見書処理原則�ぁ�第三者の意見により提出された引例の書誌リストのみは，当局の特許公報照会システムで公開されるものとする（項目10）

　合わせて公開されたQ&Aによると，意見書の提出を匿名で行うことができない点，個人情報保護法により第三者意見提出者の氏名，住所等の情報の閲覧・複写ができない点，および提出者が自主的に「個人情報の開示に同意する」という選択肢を選択した場合には提出者の氏名，住所，勤務先住所，国籍が開示される点，は従前どおりである。また，意見書の提出には費用は発生せず，第三者意見の内容（理由および関連書類）は閲覧請求によって閲覧，複写が可能である。

〈参考ウェブサイト〉

（参照日：2020年９月23日）

（注）｢アジア・オセアニア特許情報｣は，最新とは言えない情報も含め，会員に有用と思われる情報を掲載しています。内容については正確を期したつもりですが，二次情報もあり， 必ずしも情報源への確認が充分と言えない場合があります。詳細については会員各位にてご確認下さい。

ページの先頭へ
Copyright (C) Japan Intellectual Property Association All Rights Reserved.