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専門委員会成果物
ライセンスを受けている特許の継続出願も，黙示的に当該ライセンスの範囲内に含まれることが示された事例
CAFC判決 2020年２月７日Apple Inc., v. Andrea Electronics Corporation
［経緯］
Andrea Electronics Corporation（Ｅ社）は，譲受したデジタルオーディオ処理に関する特許に基づき，Apple
Inc.（Ａ社）に特許侵害訴訟を提起した。Ａ社はinter partes review（IPR）を請願した。
PTABは，IPRが請願されたクレームのうちクレーム6-9以外は特許性が無いと結論付けた。しかしPTABは，Ａ社が答弁書で行ったクレーム6-9の進歩性違反の議論については「特許性を否定する新しい意見」を提起するものと認定し，検討を拒否した。
Ａ社は控訴し，PTABが当該議論を検討しなかったのは裁量権の濫用であると主張した。
CAFCは，Ａ社のIPRにおける答弁書での主張が，�＼全蟒颪把鶺�された議論に対応していたか，又は��特許権者の応答書で提起された議論に対応していたかについて確認し，PTABの決定が裁量権の濫用に当たるか検討した。
�，亡悗掘だ全蠖佑�答弁書で新たな先行技術文献を引用した場合や，既出の先行技術文献のうち請願書で言及されていなかった部分を使用した場合は，「特許性を否定する新しい意見」に該当すると，CAFCは過去に認定している（Ariosa Diagnostics v. Verinata Health，Inc., 805 F.3d 1359, 1367（Fed. Cir. 2015）等）。
しかし，本件は上記判決と異なり，Ａ社の答弁書は新しい証拠や先行文献の未確認の部分を参照するものでは無く，CAFCは�，砲弔い藤措劼梁弍�を妥当と認定した。
具体的には，請願書に記載された先行技術文献の開示内容について，Ａ社の答弁書は同じアルゴリズムの別の 例を示して説明したに過ぎないと，CAFCは判示した。
�△亡悗掘ぃ措劼錬甜劼�応答書で提起した７ページにもわたる議論に正直に応答しただけである，とCAFCは判示した。そしてＡ社が答弁書で述べた議論はＥ社の応答書に対応していたと，CAFCは認定した。
以上の理由から，CAFCは，Ａ社の答弁書の議論が「特許性を否定する新しい意見」に該当しないと判断し， PTABが当該議論の検討を拒否したのは裁量権の濫用であると認定して審理を差し戻した。
PTABは，IPRが請願されたクレームのうちクレーム6-9以外は特許性が無いと結論付けた。しかしPTABは，Ａ社が答弁書で行ったクレーム6-9の進歩性違反の議論については「特許性を否定する新しい意見」を提起するものと認定し，検討を拒否した。
Ａ社は控訴し，PTABが当該議論を検討しなかったのは裁量権の濫用であると主張した。
［CAFCの判断］
IPR請願人は，対応する異議申立，特許権者の予備的応答，および特許権者の応答で提起された議論にのみ回答 できる（連邦規則集（C.F.R.）§42.23（b））。CAFCは，Ａ社のIPRにおける答弁書での主張が，�＼全蟒颪把鶺�された議論に対応していたか，又は��特許権者の応答書で提起された議論に対応していたかについて確認し，PTABの決定が裁量権の濫用に当たるか検討した。
�，亡悗掘だ全蠖佑�答弁書で新たな先行技術文献を引用した場合や，既出の先行技術文献のうち請願書で言及されていなかった部分を使用した場合は，「特許性を否定する新しい意見」に該当すると，CAFCは過去に認定している（Ariosa Diagnostics v. Verinata Health，Inc., 805 F.3d 1359, 1367（Fed. Cir. 2015）等）。
しかし，本件は上記判決と異なり，Ａ社の答弁書は新しい証拠や先行文献の未確認の部分を参照するものでは無く，CAFCは�，砲弔い藤措劼梁弍�を妥当と認定した。
具体的には，請願書に記載された先行技術文献の開示内容について，Ａ社の答弁書は同じアルゴリズムの別の 例を示して説明したに過ぎないと，CAFCは判示した。
�△亡悗掘ぃ措劼錬甜劼�応答書で提起した７ページにもわたる議論に正直に応答しただけである，とCAFCは判示した。そしてＡ社が答弁書で述べた議論はＥ社の応答書に対応していたと，CAFCは認定した。
以上の理由から，CAFCは，Ａ社の答弁書の議論が「特許性を否定する新しい意見」に該当しないと判断し， PTABが当該議論の検討を拒否したのは裁量権の濫用であると認定して審理を差し戻した。
（小澤 ゆい）
