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- 11月号 欧州（２）
専門委員会成果物
IP5が世界的な課題に取り組むために協力を強化することに合意
７月21日に13回目の日米欧中韓五庁（IP5）長官会合が初のテレビ会議形式で開催された１）。当初，本会合は６月に中国，成都で開催される予定だったが，COVID-19の世界的大流行のため延期されていた。本会合には，日本国特許庁（JPO）の糟谷敏秀長官，米国特許商標庁（USPTO）のAndrei Iancu長官，欧州特許庁（EPO）のAntónio Campinos長官，中国国家知識産権局（CNIPA）の申長雨局長，及び韓国特許庁（KIPO）のパク・ウォンジュ庁長が出席し，申局長が議長を務めた。また，オブザーバーとして世界知的所有権機関（WIPO）のFrancis Gurry事務局長が出席した。本会合で，IP5長官らは，公共の生活と健康に大きな脅威を与えているCOVID-19の世界的大流行に深刻な懸念を表明し，COVID-19の世界的大流行に取り組むために必要な研究，イノベーション，及び創造を支援するための知的財産の保護の重要性を再確認した。また，特に危機の時には，経済回復を後押しし，雇用を創出する上で，知的財産が重要な役割を果たすことを強調した２）。
本会合では，COVID-19への戦略的な対応について話し合われた。IP5長官らは，COVID-19の世界的大流行に対する出願人への影響を緩和し，このウイルスとの戦いでの勝利に役立つようなイノベーションを促進する様々な施策について相互に共有した。この施策には，COVID-19流行の影響を受けた人々への支援及び救済の提供，並びにCOVID-19の検出，感染防止，及び治療に関連する豊富な技術知識を示す特許情報へのアクセスを引き続き促進することが含まれる。IP5長官らは，これらの施策を通じて，投資を呼び込むこと，新しい市場への参入，及び技術移転の促進に役立つ高品質の知的財産権によって，あらゆる場面で発明者と研究者を引き続き支援していくことを強調した。
また，本会合では，2017年に策定された新しい五庁連携ビジョン３）の下で行われている活動の進捗についても話し合われた。この新しいビジョンは，進化するユーザーのニーズに対応するために策定されものであり，具体的には，特許制度の手続と運用の調和，ワークシェアリングの強化，高品質でタイムリーな調査及び審査，並びにより効率的で費用対効果が高く，ユーザーフレンドリーに国際的な特許状況を理解することができる特許情報へのシームレスなアクセスの提供に関するものである。IP5長官らは，これらのビジョンに基づいて，ビジネスの継続性と提携の推進力を維持するためにIP5が取った迅速な行動を強調し，IP5のフレームワークの回復力，応答性，及び継続的な改善について説明した。そして，彼らは，新しい技術及び人工知能の分野での協力の推進（NET４）／AIタスクフォースにより実施５），特許制度の手続の調和の向上，ワークシェアリングの取り組みの強化，審査の質及び効率の改善（PCT協働調査及び審査試行プログラム６）の次のステップへの移行），並びに特許情報へのアクセスのさらなる強化を継続することに合意した。
さらに，IP5長官らは，IP5と業界団体との連携の重要性を再確認した。IP5は，2012年以降，各地域の業界団体の代表として，日本知的財産協会（JIPA），米国知的財産権法協会（AIPLA），米国知的財産権者協会（IPO），ビジネスヨーロッパ（Business Europe），韓国知的財産権協会（KINPA），及び中国専利保護協会（PPAC）と会合を開催している７）。現在，IP5は，COVID-19への対策とIP5のプロジェクトの進捗状況について情報を提供し続けるため，各業界団体との緊密なコミュニケーションを維持している。IP5長官らは，IP5に積極的に協力し，現在及び将来のIP5の取り組みに対して情報を提供する業界団体の尽力を歓迎した。
次回の会合は，2021年にJPOによって主催される。
注 記
本会合では，COVID-19への戦略的な対応について話し合われた。IP5長官らは，COVID-19の世界的大流行に対する出願人への影響を緩和し，このウイルスとの戦いでの勝利に役立つようなイノベーションを促進する様々な施策について相互に共有した。この施策には，COVID-19流行の影響を受けた人々への支援及び救済の提供，並びにCOVID-19の検出，感染防止，及び治療に関連する豊富な技術知識を示す特許情報へのアクセスを引き続き促進することが含まれる。IP5長官らは，これらの施策を通じて，投資を呼び込むこと，新しい市場への参入，及び技術移転の促進に役立つ高品質の知的財産権によって，あらゆる場面で発明者と研究者を引き続き支援していくことを強調した。
また，本会合では，2017年に策定された新しい五庁連携ビジョン３）の下で行われている活動の進捗についても話し合われた。この新しいビジョンは，進化するユーザーのニーズに対応するために策定されものであり，具体的には，特許制度の手続と運用の調和，ワークシェアリングの強化，高品質でタイムリーな調査及び審査，並びにより効率的で費用対効果が高く，ユーザーフレンドリーに国際的な特許状況を理解することができる特許情報へのシームレスなアクセスの提供に関するものである。IP5長官らは，これらのビジョンに基づいて，ビジネスの継続性と提携の推進力を維持するためにIP5が取った迅速な行動を強調し，IP5のフレームワークの回復力，応答性，及び継続的な改善について説明した。そして，彼らは，新しい技術及び人工知能の分野での協力の推進（NET４）／AIタスクフォースにより実施５），特許制度の手続の調和の向上，ワークシェアリングの取り組みの強化，審査の質及び効率の改善（PCT協働調査及び審査試行プログラム６）の次のステップへの移行），並びに特許情報へのアクセスのさらなる強化を継続することに合意した。
さらに，IP5長官らは，IP5と業界団体との連携の重要性を再確認した。IP5は，2012年以降，各地域の業界団体の代表として，日本知的財産協会（JIPA），米国知的財産権法協会（AIPLA），米国知的財産権者協会（IPO），ビジネスヨーロッパ（Business Europe），韓国知的財産権協会（KINPA），及び中国専利保護協会（PPAC）と会合を開催している７）。現在，IP5は，COVID-19への対策とIP5のプロジェクトの進捗状況について情報を提供し続けるため，各業界団体との緊密なコミュニケーションを維持している。IP5長官らは，IP5に積極的に協力し，現在及び将来のIP5の取り組みに対して情報を提供する業界団体の尽力を歓迎した。
次回の会合は，2021年にJPOによって主催される。
注 記
- Press release：World’s five largest intellectual property offices agree to strengthen co-operation to enhance the role of IP in tackling global challenges
https://www.fiveipoffices.org/wcm/connect/fiveipoffices/67ec11a9-85c1-4ccc-b99c-e90b78b0c3b7/2020+IP5+press+release.pdf?MOD=AJPERES&CVID= - Jointstatement of the IP5 heads of office
https://www.fiveipoffices.org/wcm/connect/fiveipoffices/f05f03ef-59bc-4eb2-99c1-71874bc278fe/2020+IP5+joint+statement_07212020.pdf?MOD=AJPERES&CVID= - About IP5 co-operation
https://www.fiveipoffices.org/about - NET：new emerging technologies
- First IP5 NET/AI task force meeting takes place in Berlin, Germany
https://www.fiveipoffices.org/wcm/connect/fiveipoffices/79590bc3-a74c-46c9-89b8-084b034b9361/IP5+NET_AI+task+force+meeting+-+summary_16012020.pdf?MOD=AJPERES&CVID= - Collaborative Search and Examination （CS&E）
https://www.wipo.int/pct/en/filing/cse.html - Consultation with industry
https://www.fiveipoffices.org/industry-consultation
EPOニュース（2020年７月23日）
IP5 agree to strengthen co-operation to tackle global challenges
https://www.epo.org/news-events/news/2020/20200724.html
（参照日：2020年９月15日）
（川村 紗世）
