専門委員会成果物
EU／欧州連合商標改正関連規定の適用
欧州連合商標（EUTM）改正関連規定が、2017年10月1日から適用となった。主な改正の内容は以下の通り。
�� 写実的要件（Graphical Representation）の廃止
従来は、出願書類において商標を写実的に表現しなければならなかったが、この要件が廃止となり、色、音、動きなど新しい商標にも対応できるよう、
商標を特定できる適切な形態で表現できていれば登録可能となった。例えば、音の商標を出願する際、楽譜による出願に加えて、音を再現する音声ファイルによる登録も可能となる。
�� EU証明商標制度の導入
新たに証明商標出願が可能となった。証明商標は商品又はサービスが一定の基準（素材、製造方法、サービスの提供方法、品質（地理的出所は除く）等）に適合することを識別するために使用される。
登録に関しては、出願から2ヶ月以内に、証明商標の商品やサービスの特徴や使用を規定する条件などを記載して説明書類を提出しなければならない。
�� 優先権証明に関する手続き面の変更
従来は、出願後であっても2ヶ月以内であれば優先権を主張することが可能であったが、今回の改正で優先権の主張は出願時に行わなければならなくなった。優先権証明書は出願から3ヶ月以内の提出が必要となる。
（JETRO、他）
中国／反不正当競争法の改正法施行
全国人民代表大会常務委員会は、2017年11月4日付けで反不正当競争法（不正競争防止法）の改正を承認した。同法は、2018年1月1日より施行される。改正法では、他の関連する法律（独占禁止法等）で 規制すべき内容が削除され、不正競争防止法としての位置づけがより明確になった。主な改正点は以下の通り。- 「経営者」の概念の改正
- 法執行機関の権限の明確化
- 不正競争行為の追加、修正（インターネット分野等）
- 法執行機関の監督検査に係る手段の強化
- 侵害者の法的責任の強化
なお、不正競争行為における混同行為について以下のような改正内容となっている。
- 企業名称や個人の氏名について略称等を含むことを明確化
- 一定の影響力を有する他人のドメインネームの要部、ウェブサイト名、ウェブページ等を模倣する行為を混同行為として規定
- 他人の商品又は他人と特定の関係があると誤認させるその他の行為も混同行為であるとする受け皿規定を制定
（NGB、他）
フィリピン／更新登録後1年以内の使用宣誓書提出義務を新設
フィリピン知的財産庁は更新登録後の使用宣誓書提出義務について商標法規則を改正・施行した。施行後は、更新登録日から1年以内に使用宣誓書（Declaration of Actual Use; DAU）を提出する必要がある。 この使用宣誓書提出義務は、2017年1月1日以降に更新期限を迎える全ての登録商標に適用される。なお、以下の期間における使用宣誓書については、提出義務に変更はない。
- 出願日から3年以内
- 登録日から5年を経過した後1年以内
- 更新登録日から5年を経過した後1年以内
（NGB、他）
インドネシア／マドプロ加盟
インドネシア政府が、2017年10月2日付でマドリッド協定議定書（マドリッド・プロトコル）への加入書を世界知的所有権機関（WIPO）事務局長に寄託した。同協定議定書は、2018年1月2日より発効する予定。 これにより、マドリッド・プロトコルの加盟国数は100となる。
