専門委員会成果物

アルゼンチン/商標法改正

 アルゼンチン政府は、2018年1月16日付で、現商標法の一部改正を実施する規則を公布した。主な改正の内容は、以下の通り。
  1. 異議申立
     異議申立から12ヶ月以内に和解が成立しなかった場合、これまでは出願人が訴訟を提起しなければ当該出願は放棄したものとみなされていた。今回の改正で、 和解のための交渉期間が3ヶ月に短縮されるとともに、当該期間内に和解が成立しなかった場合、アルゼンチン特許商標庁が決定を下すこととなった。 当事者はこの決定に不服がある場合、裁判所に出訴することができる。
  2. 不使用取消
     従来、商標不使用を理由とする登録の取消は全部取消のみ認められていたが、改正後は一部取消が可能になる。
  3. 使用宣誓
     登録後5年目以降6年目までの間に、使用宣誓供述書の提出が必要となる。

(現地代理人情報)    

イラク/旧プラクティスで出願された商標出願の審査不実施

 イラク商標局は、新商標登録官赴任に伴って、旧プラクティス下で出願されたペンディングの商標出願第50,000号から72,000号までの未公告出願全件について審査を実施 しないことを決定し、2018年1月29日より、対象案件について正式な失効通知の送達を開始した。当該通知から7日以内に再出願しない場合、出願の記録が削除され、 出願されなかったものとみなされる。

(NGB、他)   

韓国/商標・デザイン審査基準等の改正

 韓国特許庁は、商標審査基準、商標デザイン審査事務取扱規定等を改正し、2018年1月1日より施行した。主な変更内容は、以下の通り。
  1. 指定商品の一部放棄をする場合に、放棄書を別途提出しなくても、納付書にその旨を記載するのみで可能となった。
  2. 登録商標の表示が、登録商標である旨及び登録番号の表示、または登録番号に替えて、登録番号を掲載したインターネットアドレスの表示でも可能となった。
  3. これまで立体的形状は使用による識別力が登録要件とされていたが、立体的形状が指定商品(包装・容器を含む)の形状を表示するものと認識されず、一般的又は ありふれたものでない特異な形状である場合は、識別力ありとすることに変更。例えば、「ライオンの立体的形状」に対して「自動車」を指定した場合は識別力ありとされる。
  4. 先願商標が納付期間内に設定登録料を納付しなかった場合、従来は権利回復の可能性があるため後願商標を1年以上審査保留していたが、改正された基準では、当該商標は 放棄されたものとして、審査保留することなく後願商標を処理可能に変更した。
  5. 顕著な地理的名称に大学校(日本の大学に相当)が単純結合された標章は識別力がないとするが、「教育関連分野等」において特定人の商標として認識される程に知られている場合は識別力を認めることとした。
  6. 審査の関連書類等に無効処分があった場合、無効処分が取り消されても審査結果に影響を及ぼさない場合には審査保留しないことが可能となった。
  7. 商品分類制度の改正(例:「健康機能食品」関連商品の第5類への単一化)

(NGB、他)   

ベトナム/商標出願手続に関するプラクティス変更の公示

 ベトナム知的財産庁(NOIP)における商標出願手続に関するプラクティスの変更を2018年1月15日より実施することを公示した。主な変更点は、以下の通り。
  1. 方式審査の局指令に対する応答期限の変更
     方式審査の補正指令に対する対応期限を、現行の1ヶ月から2ヶ月に変更した。また、実体審査の拒絶理由通知に対する対応期限を、現行の2ヶ月から3ヶ月に変更。
  2. 国際出願の暫定的拒絶通報に対する応答機会の変更
     国際出願の暫定的拒絶通報に対して、出願人は今後3ヶ月以内に意見書を提出することが可能となる。
  3. 審判手続に関する変更
     知的財産庁は、審判手続において関連分野の専門家に諮問することを決定できるようになる。また、当事者を交えたヒアリングにおいて、専門家が参加することも認められるようになる。
  4. 権利不要求に関する変更
     現行プラクティスでは、権利不要求の指令に対する反論するための機会は特定されていないが、今後は3ヶ月以内に反論することが可能となる。
  5. 著名商標の認定に関する変更
     裁判所または知的財産庁が、著名商標であると認定した場合、知的財産庁の著名商標リストに記載されるようになる。

(NGB、他)    

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