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2025年8月29日 第2回関西金属機械部会を開催

日時 8月29日(金)12:45〜19:00
場所 見学・部会、懇親会:
アサヒビール工場、ホテル新大阪
参加者 役員/幹事:山本/文野,橘高,水鳥4名、講師1名を含む 14社16名、懇親会は20名参加

■議 事
1.開会挨拶、部会報告
 山本役員から開会の挨拶、講師を紹介した。

2.ご講演
 講師:GLOBAL BUSINESS KNOWLEDGE (GBKS)
 代表 石川 文夫 様

演題:企業における未来に向けた人材育成のあり方〜これからの法務・知財企業人材育成をいかに?〜

<講演概要>
(1)講師経歴
1979年富士通株式会社入社、海外駐在を経て、電子デバイス部門知的財産渉外部長、同法務部長、富士通セミコンダクター株式会社法務部統括部長を歴任。社外では公益財団法人知的財産研究所統括研究員、山口大学大学院技術経営研究科非常勤講師、昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員等を務められた。その後、富士通株式会社を退職し、現在はGBKS代表、立教大学法学部客員教授、弁護士法人イノベンティア・シニアコンサルタントとしてご活躍されている。

(2)講演内容
石川氏は自身の豊富な企業経験を踏まえ、日本の国際競争力やデジタル競争力の現状を解説し、労働生産性や英語力、研究力の課題を指摘された。新型コロナウイルスの影響により働き方がオンライン中心に変化し、情報が人の動きを凌駕するネットワーク社会の到来を強調された。
仕事は単純作業、複合作業、創造作業に分類され、AIによる単純作業の代替が進む中、判断力や経験知、創造力が今後ますます重要になると述べられた。知的財産部門は戦略的役割を担い、経営に積極的に関与すべきであると強調された。法務・知財部門は契約交渉やリスク管理、コンプライアンス教育など多岐にわたる業務を担い、チームワークや迅速な対応、グローバル視野が求められると説明された。
人材育成においては、組織の連帯感や多様性の尊重、明確な目的意識が不可欠であり、モチベーション向上や経験知の共有、コミュニケーション力が重要であると述べられた。石川氏はマレーシア工場での経験を通じ、利用者視点のシステム設計や継続的な人間関係構築の大切さを説かれた。
後半では、ネットワーク社会における人間関係の継続管理や自己開示の重要性が語られ、企業人としての心構えとして、柔軟な対応や迅速な報告、広範な知識の習得が求められると述べられた。法務・知財部門の業務効率化には契約審査のシステム化やAI活用が進み、経験知のデータ化や組織強化が必要であるとされた。
ライセンス業務の基本や交渉の極意も紹介され、交渉は相互の要求調整であり、事前準備や文化的配慮が成功の鍵であるとされた。最後に、変化に迅速に適応し続けることの重要性を説き、学び続ける姿勢がキャリア形成に不可欠であると締めくくられた。
本講演は、法務・知財部門の人材育成や業務効率化、グローバル交渉力向上に向けた具体的な示唆を提供し、参加者にとって今後の業務に役立つ内容となった。

3.アサヒビールミュージアムの見学
アサヒビール株式会社のアサヒビールミュージアムおよび吹田工場を見学した。ミュージアムでは、ビールの原料である麦芽、ホップ、酵母についての説明があり、これらの発酵や成熟を経てビールが製造される工程、製造したビールの瓶や缶への充填工程、出荷に向けた梱包工程についても解説があった。
説明の中では、プロジェクションマッピングやVR映像などが効果的に取り入れられ、参加者のアサヒビールへの理解と興味を深める演出が印象的であった。
また、アサヒビールがSDGsに積極的に取り組んでいることも紹介された。 

4.懇親会
講演、見学の後、懇親会を開催した。講師の石川氏にもご出席頂き、幅広く意見・情報交換を行い、会員相互の親睦を深めた。

[Update 2025-09-01 ]