専門委員会成果物
EPOのワールドワイドリーガルステータスデータベースの収録数が2億件を突破と発表
5月2日,欧州特許庁(EPO)は,EPOのワールドワイドリーガルステータスデータベースの収録数が2億件を突破したと発表した。オーストリアの機関であったINPADOCを1991年にEPOが引き継ぎ,2つの大きなデータベースであるINPADOCの書誌データベースとリーガルステータスデータベースを継承した。 引き継いだ当時,書誌データベースは42か国,2,000万件以上の特許を収録していた一方,リーガルステータスデータベースは開発の初期段階にあり,12か国のわずかなデータしか なかった。長年にわたり,INPADOCの書誌データはEPO独自の既存のコレクションに統合され,現在,90か国以上を網羅し,Espacenetを含むEPOサービスの多くの根幹をなしている。
リーガルステータスデータベースは,個別的なデータのコレクションのままである。これは独特で,特許情報の専門家はINPADOCから受け継いだ遺産で本当の財産と見ている。 多くの商用データベースはEPOによるリーガルステータスデータの品質に頼っている。
最近では,中国,日本,韓国からのデータの追加により,真のグローバルなリーガルステタース情報に変化してきている。またこのリーガルステータスデータベースは,PCT手続きや PCTから国内移行のような特許制度におけるより複雑な手続き経路に関する情報源でもある。
欧州における補足保護証明書や他の国の同類の保護形態は,医薬品のような技術分野における知的財産システムにおいて重要な特徴である。これらは特許でも特許手続きの一環 ではないものの,特許権の存続期間が満了した後にも保護されることになる。このリーガルステータスデータベースは,多数の国のこれらの情報を含んでいる。
統計解析用のリーガルステータスデータベースであるPATSTARについての紹介もされている。
また,EPOは過去数年において,水面下でリーガルステータスデータベースの完全な近代化に向けた作業をしており,EPOが収集するリーガルステータスデータに関する高品質な サービスを提供し続けることができ,そのシステムが将来にわたって十分に機能することができるようになることを保証している。
ワールドワイドリーガルステータスデータベースの収録数トップ10
特許庁 | 収録数 | 収録割合(%) |
EPO | 57,041,219 | 29.2 |
JP | 42,576,378 | 21.8 |
US | 25,157,880 | 12.9 |
CN | 21,360,693 | 10.9 |
WIPO | 15,972,667 | 8.2 |
KR | 12,771,998 | 6.5 |
DE | 9,308,661 | 4.8 |
GB | 1,800,815 | 0.9 |
CA | 1,442,271 | 0.7 |
FR | 1,139,951 | 0.6 |
EPOウェブアップデート(2016年5月2日)
http://www.epo.org/service-support/updates/2016/20160502.html
(参照日2016年5月24日)
(安藤 直人)
