専門委員会成果物
欧州特許庁がSocial Report 2015を発表
欧州特許庁(EPO)は2015年版のSocial Reportを2016年7月18日に発表した。本レポートの中では,欧州特許庁職員についての全体的な概要や労働状況等が紹介されている。レポートの 発行は,社会対話における透明性の増大と現状の共通認識を構築することを目的としており,その初版は2013年に発行されている。
【EPOの職員数と職種別内訳】
2015年末現在のEPOの職員数は6,815人であり,2014年末現在の6,892人から1.1%減少した。内訳は以下の通りである。審査官数と審判官数が合わせて4,384人であり,全職員の約64%を占める。
審査官数は2014年末とほぼ変わらないが,審判官数,特許関連の手続サポート等を行っている職員数は減少している。
審査官(Examiners):4,227人(+0.1%)
審判官(Members of boards of appeal):157人(−8.7%)
特許関連手続きサポート(Patent procedures support):824人(−2.7%)
その他(Other):1,607人(−2.7%)
合計(Total):6,815人(−1.1%)
【EPOの職員数の勤務地別内訳】
職員はミュンヘン,ハーグ,ベルリン,ウィーン,ブリュッセルの5都市に勤務しており,2015年末現在の勤務地別内訳は以下の通りであり,ミュンヘンに全体の56%,ハーグに 全体の39%の職員が勤務している。
ミュンヘン | 3,784人 |
ハーグ | 2,659人 |
ベルリン | 266人 |
ウィーン | 102人 |
ブリュッセル | 4人 |
合計 | 6,815人 |
【EPOの職員出身地ランキング】
職員の出身地ランキングは以下の通りであり,審査官と審判官だけでなく職員全体を対象としたランキングである。 1位のドイツが2位のフランスの約1.5倍の数であり,フランスも3位のイタリアの倍以上の数である。このように,
1位のドイツと2位のフランス出身の職員が頭一つ抜けて他国よりも多いことがわかる。また,前年との比較という観点では, ドイツとオランダが減少していて,フランス,イタリア,スペインが増加している。なお,イギリスの職員数は6位の437人で
あり,昨年と比べて6.82%減少しており,減少幅がもっとも大きい。
1. | ドイツ | 1,857人 | (-1.54%) |
2. | フランス | 1,257人 | (+0.08%) |
3. | イタリア | 541人 | (+1.12%) |
4. | オランダ | 507人 | (-5.23%) |
5. | スペイン | 498人 | (+1.63%) |
(EPO ニュースリリース)
https://www.epo.org/news-issues/news/2016/20160718.html
(EPO Social Report 2015)
http://documents.epo.org/projects/babylon/eponet.nsf/0/CA803AEC70D6E89FC1257FF40042DAA4/$File/
social_report_2015_en.pdf
(参照日2016年8月29日)
(田中 寿志)
