外国特許ニュース
〈中国〉改訂専利優先審査管理弁法の施行
中国の優先審査制度に関して,2012年6月に発布された「発明専利出願優先審査管理弁法」(局令第六十五号)(以下,弁法)を5年ぶりに改訂し,中国国家知識産権局は,「専利優先審査管理弁法」 (以下,改訂弁法)を2017年8月1日より施行すると発表した。その改訂の主要内容として,(1)適用範囲の拡大(第2条),(2)適用条件の改善(第3条,第4条),(3)手続きの簡素化(第9条), (4)審決期限の設定(第10条)があるが,ここでは(1)と(4)について簡単に解説する。(1)優先審査の適用範囲の拡大(第2条)
- 実体審査では,2012年の弁法では発明専利(日本の「特許」)のみが適用範囲であったが,2017年の改訂弁法では実用新型専利(日本の「実用新案」)と外観設計専利(日本の「意匠」)が, 優先審査の適用範囲に追加された(表1)。
弁法 2012年 |
改訂弁法 2017年 |
|
発明専利 | ○ | ○ |
実用新型専利 | × | ○ |
外観設計専利 | × | ○ |
- 復審・無効宣告請求では,2012年の弁法では発明専利・実用新型専利・外観設計専利の全てが優先審査の適用範囲でなかったが,2017年の改訂弁法では全て適用範囲となった(表2)。
弁法 2012年 |
改訂弁法 2017年 |
|
発明専利 | × | ○ |
実用新型専利 | × | ○ |
外観設計専利 | × | ○ |
(4)優先審査の審決期限の設定(第10条)
表3のように,優先審査手続きの審決期限が設定された。なお,発明専利・実用新型専利・外観設計専利別に,実体審査・復審・無効宣告請求のそれぞれの期限が設定されている。
表3 審決期限(単位:月)
実体 審査 |
復審 | 無効 審査 請求 |
|
発明専利 | 12 | 7 | 5 |
実用新型専利 | 2 | 7 | 5 |
外観設計専利 | 2 | 7 | 4 |
(参考)
中国国家知識産権局「専利優先審査管理弁法」(中国語)
http://www.sipo.gov.cn/zwgg/jl/201706/t20170628_1312314.html
(参照日:2017年7月3日)
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