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〈フィリピン〉フィリピン知的財産庁ISA/IPEA指定に向けて承認

 フィリピン知的財産庁(IPOPHL)は,世界知的所有権機関(WIPO)と締結した特許協力条約(PCT)における国際調査機関及び国際予備審査機関(ISA/IPEA)に指定されることに対して全会一致で国際承認を得た。
 フィリピンは,PCT条約のもとでISA/IPEAとしての指定を求めていた。尚,ISAとは,国際出願の国際調査を行う機関であり,国際調査報告(ISR)及び国際調査機関の見解書(ISA見解書)を作成する。 また,国際予備審査報告(IPER)は,IPEAが作成する1)。
 現在,ISA/IPEAは世界中で22しか存在しておらず,フィリピンがISA/IPEAに指定された場合には,23番目のISA/IPEAになり,ASEAN地域ではシンガポールに続く2番目となる。
 技術協力委員会(CTC)の一員であるPCTのワーキンググループは,2017年10月のWIPO加盟国総会期間中のPCT連盟大会(PCT Union Assembly)でISA/IPEAとして承認されるために,フィリピン知的財産庁の申請を審査して, 全会一致で承認した2)。
 CTCの承認を得て,フィリピン知的財産庁は,ISA/IPEAとして機能する目標の実現に向けて一歩近づいている。
 フィリピン知的財産庁のJosephine Santiago局長は,フィリピン知的財産庁がISA/IPEAとしての指定要件を満たしていることを以下の点について強調している。「フィリピン知的財産庁は, 調査と審査において十分に訓練された110人の常勤の特許審査官を有しており,公衆に利用可能で適切なデータベースを含む最小限資料への完全なアクセス権を有している。アクセス権を有するデータ ベースとしては,トムソン・イノベーション,WIPSグローバル・データベース(Worldwide intellectual Property Service Global Database),エポックネット(EPOQUENet)などがある。フィリピン 知的財産庁は,PCT制度における公式言語の一つである英語が必要とされる技術分野においても,調査と審査に熟練した特許審査官を有している。加えて,フィリピン知的財産庁は,品質管理システムと 厳格な内部レビューシステムを有している。フィリピン知的財産庁は,PCTに基づいて出願された国際特許出願の先行技術調査と予備審査を行う能力を有する。」
 さらに,Santiago氏は,ISA/IPEA申請とその指定に備えて,フィリピン知的財産庁が行った行政,運用,インフラ改革等についても言及しており,活発なフィリピン経済と非常に高い成功したネット ワーク発明の成果を挙げている。
 また,フィリピンはASEAN創始国の一つであり,1967年の「バンコク宣言」による設立後,50年記念を祝うものであると併せて述べられている。
 フィリピンはWIPOに知的財産の創造と商業のハブとしても認識されている。国連貿易開発会議(UNCTAD)の最近のランキングによれば,フィリピンは多国籍企業におけるTOP15の好ましい投資先に含まれており, 将来に向けて良い発展を遂げている。

(参考ウェブサイト)
1)http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/files_pct_handbook/all.pdf
2)http://business.mb.com.ph/2017/05/13/ph-endorsed-as-international-authority-on-patent/
  (引用箇所1頁,2頁)

(参照日:2017年7月18日)

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