外国特許ニュース

〈韓国〉第4次産業革命に関する動向

 韓国特許庁は2017年11月1日,知的財産分野のマスタープランである「第4次産業革命時代における知的財産政策の方向1)」の中で,第4次産業革命における主要技術知的財産保護の仕組み・ 環境づくりについて言及していたが,それに続き,2018年1月11日,「2018年に新しく変わる知的財産制度・支援施策2),3)」を発表した。その骨子には,年間登録料の減免拡大や, 特許庁に納付した年間出願料および登録料の総額に応じて他の手数料の減額を受けられるといった,韓国国内の中小・ベンチャー企業あるいは個人を対象とした知的財産の競争力強化を 目的とする制度・施策も含まれるが,わが国の会員企業にも関連する制度として,第4次産業革命関連分野における早期権利化への支援が挙げられる。
 具体的には,第4次産業革命分野に対し,7大産業分野(AI,IoT,3Dプリンティング,自動運転,ビッグデータ,クラウド,知能型ロボット)を特許出願優先審査の対象に含め, 審査期間を従来の16.4カ月から5.7カ月レベルへと大幅に短縮する特許優先審査の拡大が行われること,ならびに第4次産業革命の技術を活用したデザイン出願についても優先審査の 対象に含め,審査期間を従来の5カ月から2カ月レベルに短縮するデザイン優先審査の拡大が行われることが発表された。
 施行時期については,特許優先審査の拡大は2018年上期,デザイン優先審査の拡大は2018年1月を予定している。
また,日中韓では第4次産業革命を議題とする会合が開催され4),5),第4次産業革命に対応した各国の知財戦略についての情報が共有化され,日韓ではさらに「人工知能の特許行政 適用に関し具体的な協力範囲を設定する」ことで合意5),6)するなど,連携の動きが強まっている。

(参考ウェブサイト)

1)KIPO「第4次産業革命時代の知的財産政策の方向」(韓国語)
http://www.kipo.go.kr/kpo/user.tdf?a=user.news.press1.BoardApp&board_id=press&c=1003&catmenu=m03_05_01&seq=16554

2)KIPO「2018年に新しく変わる知的財産制度」(韓国語)
http://www.kipo.go.kr/kpo/user.tdf;jsessionid=9863ca6b30d5c1e66205d1e24a4cae19d1e1b669d6c4.www?a=user.news.announce.BoardApp&board_id=press&c=1003&cp=1&pg=1&npp=10&seq=16699&catmenu=m03_05_01

3)JETRO「2018年に新しく変わる知的財産制度」
https://www.jetro.go.jp/world/asia/kr/ip/ipnews/2018/180111.html

4)SIPO「2017 TRIPO Heads Meeting Held in Korea」
http://english.sipo.gov.cn/news/officialinformation/1099767.htm

5)経済産業省 ニュースリリース
http://www.meti.go.jp/press/2017/12/20171208001/20171208001.html

6)聯合ニュース「韓中日の特許庁トップ 知的財産権分野の協力強化で一致」
http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2017/12/07/0800000000AJP20171207001500882.HTML

(参照日は全て2018年1月18日)

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