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アフリカ地域知的財産機構(ARIPO)と中華人民共和国の国家工商行政管理総局(SAIC)とが新しい覚書を締結

 2017年3月30日,ジンバブエのハラレにあるアフリカ地域知的財産機構(ARIPO)本部において,ARIPOと中華人民共和国の国家工商行政管理総局(SAIC)とが新しい覚書を締結した。SAICの名誉ある大臣Zhang Mao氏 及びARIPO事務局長フェルナンド・ドス・サントス氏がそれぞれの組織を代表してMoUに署名した。新MoUは,2011年3月31日と2014年9月8日に両組織間で締結された過去2回の議事録を廃止する。
 このMOUは,情報とベストプラクティスの交換及びキャパシティビルディング活動を通じて商標システムの管理品質と有効性の向上を目指す活動に関する,ARIPOとSAICとの間の二者間協力のための一般的な枠組みを 確立するものである。その目的は,商標出願プロセスを合理化し,周知の商標(well-known trademarks)および地理的表示の保護問題に対処することである。
 ARIPOとSAICは,それぞれの領域で商標に関する知的財産権制度の使用と理解を促進するために取り組むことを合意した。その点で,比較研究,ワークショップ,審査,異議申立,紛争解決,ITに関する能力育成活動を開発し, 実施する。地理的表示が経済発展を促進することに関して,両組織は,農産物の付加価値の促進により農家を豊かにする努力を増加させ,農産物の商標およびGIの登録および保護による農村部の経済開発を促進する。 両組織は,毎年,その年の協力活動を評価し,翌年の協力計画を立てるために会合する。ARIPOにとってこのMoUは,中国が地域で最大の単一投資家になることがますます増えている一方で,同地域の中国人投資家が求める IP知的財産保護はほとんどないという点でタイムリーなものである。

(参考)ARIPOプレスリリース
http://www.aripo.org/news-events-publications/news/item/174-aripo-and-saic-renew-memorandum-of-understanding

(参考)中華人民共和国国家工商行政管理総局
http://www.saic.gov.cn/

(参照日2017年5月1日)

(吉岡 章夫)   

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