専門委員会成果物

欧州特許庁,PPHパイロットプログラム適用地域を拡大

  1. ユーラシア特許庁とのPPHパイロットプログラムの開始
     10月1日,欧州特許庁(EPO)はユーラシア特許庁(EAPO)とのPatent Prosecution Highway (PPH)パイロットプログラムを開始した。
     EPO長官のBenoi Battistelli氏は,このパートナーシップにより地域協力が強化され,ユーザーへよりよいサービスを提供でき,両地域で保護を求める出願人はより迅速かつ効率的に 特許を取得できるようになり,ビジネスとイノベーションを促進できると述べている。
     PPHパイロットプログラムは2020年9月30日までの3年間の試行が行われ,EPOまたはEAPOで特許性があるとされたクレームについて,もう一方の特許庁で迅速な処理を申請することができる。 EPO,EAPOで審査結果を共有し,審査の迅速化とユーザーのコストを削減することが可能となる。
  2. ブラジル工業所有権研究所とのPPHパイロットプログラム開始の合意
     EPOとブラジル工業所有権研究所(INPI)はPPHパイロットプログラムを開始することで合意した。
    INPIのLuiz Otávio Pimentel所長は,欧州との特許分野での協力関係の拡大により,特許審査における迅速性,信頼性の向上に寄与すると述べている。
     PPHパイロットプログラムは2年間の試行が行われる。2018年初頭に開始が予定されている。
    プログラムの詳細については,開始日近くに,EPO,INPIのウェブサイトに掲載される。
  3. 欧州特許庁のPPHパイロットプログラム適用地域
     10月1日の時点で,EPOは中国,日本,韓国,米国,EAPO,オーストラリア,カナダ,コロンビア,イスラエル,マレーシア,メキシコ,フィリピン,ロシア,シンガポールとPPHパイロット プログラムを開始,運用している。

EPOニュース(10月4日)
http://www.epo.org/news-issues/news/2017/20171004a.html

EPOニュース(10月5日)
http://www.epo.org/news-issues/news/2017/20171005.html

EPO Asian patent information updates 2017
http://www.epo.org/searching-for-patents/helpful-resources/asian/asia-updates/2017/20171003.html

(参照日:2017年10月19日)

(藤田 隆訓)

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