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WIPO指標〜インドネシア,シンガポール編

 世界知的所有権機関(WIPO)から,2021年10月に,「World Intellectual Property Indicators 2021」(WIPO指標2021と称する。)が発行されました1)
 このWIPO指標2021は,WIPOが特許,実用新案,商標,意匠,微生物,植物品種保護,地理的表示等の分野における2020年(集計期間:2020年1月〜2020年12月)の統計をまとめて報告したもので,各国における最新知財動向を読み取ることができます。
 今回,国際第4委員会では,インドネシア,シンガポールを取り上げ,WIPO指標2021に基づいて各国知財(主に特許,実用新案)動向の概要を纏めました。

【総括】
 インドネシア,シンガポールでは,2020年には特許出願件数が前年比で減少に転じており,特にインドネシアでは居住者,非居住者共に大幅に減少しています。
 一方で,両国とも,日本での審査結果を用いたPPH申請件数が多く,日本企業の積極的なPPH制度の活用がうかがえます。

【国別】

  1. インドネシア
     2020年 特許出願件数は8,160件であり,COVID-19の影響か前年比で−28.9%と減少しています。
     また,外国からは,日本からの出願件数が最も多い結果でした。
     特許審査において,審査請求から査定が出るまでの期間が平均45.0月でした。
  2. シンガポール
     2020年 特許出願件数は,13,265件であり,前年比で−6.2%と減少しています。
     外国からは,米国からの出願件数が最も多い結果でした。
     また,現地特許庁へのPCT出願件数が,インドネシアでは16件であるのに対して,シンガポールでは,1,278件と,非常に多いという特徴が確認されました。この現地特許庁へのPCT出願において,最も多く出願しているのはシンガポール科学技術研究庁でした。

表1 WIPO指標2021におけるインドネシア、シンガポールの知財動向概要

注 記
1) World Intellectual Property Indicators 2021
https://www.wipo.int/edocs/pubdocs/en/wipo_pub_941_2021.pdf
2) Statistical Country Profiles(WIPOサイト内)
https://www.wipo.int/ipstats/en/statistics/country_profile/

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