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専門委員会成果物
グレースピリオド前に送付された手紙がクレームされた意匠の販売のための商業的申出であると判断された事例
CAFC判決 2022年２月10日LARRY G. JUNKER v. MEDICAL COMPONENTS, INC., et al.
［経緯］
意匠特許450,839（’839意匠特許）の発明者であるLARRY G. JUNKER（Ｊ氏）は，MEDICAL COMPONENTS, INC.（Ｍ社）を相手に’839意匠特許を侵害したとして地裁に提訴した。
両当事者は，’839意匠特許の出願に係るグレースピリオドの前に送付された手紙がクレームされた意匠の販売のための商業的申出であり，米国特許法102条（ｂ）に基づく販売による新規性の喪失によって’839意匠特許が無効であるかを議論した。
当該手紙は，Ｊ氏のビジネス仲間によって設立されたXentek Medical（Ｘ社）が，’839意匠特許に係る製品の見積依頼をBoston Scientific Corporation（Ｂ社）から受けて，Ｂ社に送付したものである。
地裁は，当該手紙は予備交渉を示すものであって，クレームされた意匠の販売のための商業的申出ではなかったとし，’839意匠特許が有効であるとの略式判決を下した。また，地裁は，Ｍ社の製品が’839意匠特許を侵害したと判決し，Ｊ氏に損害賠償請求を認めた。Ｍ社はこれらを不服として控訴した。
米国特許法102条（ｂ）の販売による新規性の喪失事由は，グレースピリオドよりも前にクレームされた発明が�“稜笋里燭瓩両Χ氾�申出の対象であり，かつ��特許を受ける準備が整っていた場合に生じる。
また，Merck & Cie v. Watson Lab’ys, Inc., 822 F.3d 1347, 1351（Fed. Cir. 2016）によれば，商業的申出の水準に達する申出であって，相手方が単純に受諾することによって拘束力のある契約を締結することができるもののみが，米国特許法102条（ｂ）に基づく商業的申出に該当するとされた。
両当事者は，上記�△亡悗靴董ぅ�レームされた意匠が意匠特許を受ける準備ができていたことに同意した。このため，CAFCは，上記�，砲弔い童‘い掘づ�該手紙は当事者が予備交渉に従事していることを示す単なる見積ではなく，クレームされた意匠の販売のための商業的申出であると決定した。CAFCは，このように決定した理由として，販売のための商業的申出として必要なすべての要素が当該手紙に明記されており，Ｂ社が契約の当事者であるＸ社を拘束するために当該申出を単純に受諾することができたことを挙げた。具体的には，当該手紙には，当該要素として，複数の異なる購入オプション（サイズ毎の購入数量に応じた製品価格），支払い条件，および配送条件が記載されていた。
両当事者は，’839意匠特許の出願に係るグレースピリオドの前に送付された手紙がクレームされた意匠の販売のための商業的申出であり，米国特許法102条（ｂ）に基づく販売による新規性の喪失によって’839意匠特許が無効であるかを議論した。
当該手紙は，Ｊ氏のビジネス仲間によって設立されたXentek Medical（Ｘ社）が，’839意匠特許に係る製品の見積依頼をBoston Scientific Corporation（Ｂ社）から受けて，Ｂ社に送付したものである。
地裁は，当該手紙は予備交渉を示すものであって，クレームされた意匠の販売のための商業的申出ではなかったとし，’839意匠特許が有効であるとの略式判決を下した。また，地裁は，Ｍ社の製品が’839意匠特許を侵害したと判決し，Ｊ氏に損害賠償請求を認めた。Ｍ社はこれらを不服として控訴した。
［CAFCの判断］
CAFCは，米国特許法102条（ｂ）に基づいて’839意匠特許が無効であるとし，地裁の略式判決を棄却した。米国特許法102条（ｂ）の販売による新規性の喪失事由は，グレースピリオドよりも前にクレームされた発明が�“稜笋里燭瓩両Χ氾�申出の対象であり，かつ��特許を受ける準備が整っていた場合に生じる。
また，Merck & Cie v. Watson Lab’ys, Inc., 822 F.3d 1347, 1351（Fed. Cir. 2016）によれば，商業的申出の水準に達する申出であって，相手方が単純に受諾することによって拘束力のある契約を締結することができるもののみが，米国特許法102条（ｂ）に基づく商業的申出に該当するとされた。
両当事者は，上記�△亡悗靴董ぅ�レームされた意匠が意匠特許を受ける準備ができていたことに同意した。このため，CAFCは，上記�，砲弔い童‘い掘づ�該手紙は当事者が予備交渉に従事していることを示す単なる見積ではなく，クレームされた意匠の販売のための商業的申出であると決定した。CAFCは，このように決定した理由として，販売のための商業的申出として必要なすべての要素が当該手紙に明記されており，Ｂ社が契約の当事者であるＸ社を拘束するために当該申出を単純に受諾することができたことを挙げた。具体的には，当該手紙には，当該要素として，複数の異なる購入オプション（サイズ毎の購入数量に応じた製品価格），支払い条件，および配送条件が記載されていた。
（井川 貴詞）
