国際活動

国際第2委員会:PCT-WG 10th Sessionへの委員派遣

 スイス・ジュネーブのWIPOにおいて、2017年5月8日から5月11日にかけて開催されたPCT作業部会(PCT-WG)に、JIPAより、吉岡国際第2委員長(NEC)、佐々木国際第2委員(住友ベークライト)を派遣しました。
 このPCT-WGは、PCT総会に提案すべき議題を、加盟国の政府、国際機関代表、およびユーザ団体が一堂に会して事前に協議する国際会議で、2008年より開催され今年で10回目になります。

 今回のPCT-WGでは、PCT制度の将来の発展に向けた活動方針が主として議論され、現行制度が有する諸課題及びそれらへの取組に関する25の議題について、選任された議長(チリ共和国工業所有権庁長官の Maximiliano Santa Cruz氏)及び副議長(オーストラリア特許庁Victor Portelli氏)の下、先進国・新興国・発展途上国、政府・国際機関・ユーザという制度に関わる全ての立場からの意見が聴取され、 加盟国間での合意形成が図られました。

 JIPAは、PCT制度の適切な発展という視点から議論に参加し、特に、選択図と要約の語数という議題において、国際公開の言語毎に語数のガイドが定められようとしている点について、要約の語数はその品質を 直接示すものではない事等から、厳格すぎるルール適用は得られる利益に照らし負担が過ぎる可能性があるとの懸念を表明しました。

 PCT-WGでは、先進国と新興国・発展途上国のいずれかに有利な改正案に関する議題に対しては、激しく意見が交わされました。特に、新興国・発展途上国の特定出願人に対する費用減免に関連する議題では、 激しい議論が行われ、議長が対立する意見の間で何らかの道を探し出すためにセッションを半日不在とし、その間を副議長がWGを運営するほどのものでした。このような意見の対立が一部であったものの、 議長および副議長の素晴らしいチェアマンシップと各加盟国の建設的な姿勢により、全体としてPCT-WGは、予定期間よりも1日早く終了されました。

 また、今回もPCT-WGの開催期間中に、技術協力委員会(PCT-CTC)が合わせて開催されました。この会議では、1.フィリピン知的財産庁の国際調査機関・国際予備審査機関としての任命の適否、2.現在の22の 国際調査機関・国際予備審査機関に対する再任命の適否、3.国際事務局と国際調査機関・国際予備審査機関と間におけるAgreementのモデル、が議論されました。1.のフィリピン知的財産庁の適否に関し、 オーストラリア特許庁および日本特許庁がアセスメント結果を紹介し、技術協力委員会によるPCT総会への推薦という合意が満場一致で形成されました。また、2.の22の国際調査機関等への任命も同様に 合意が形成されました。これにより今秋予定のPCT総会へ同内容が提案され、その採択が議論される予定です。

 次回のPCT-WGは2018年の同時期に開催され、今回の議題の詳細を継続して協議する予定となっています。JIPAは、PCT制度の適切な発展に向け、今後も、世界から期待されるユーザ団体としての意見を表明していく予定です。

以上    

  • WIPO外観
  • 議場の様子
  • JIPA派遣団
  • レマン湖の大噴水とモンブラン
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