国際活動

第9回TM5ユーザーセッションへの参加

 2020年10月28日(水)、オンラインで開催された日本・米国・欧州・中国・韓国の商標五庁(TM5)会合のユーザーセッションに商標委員会が参加しました。本会合では、TM5が取り組んでいるプロジェクトや共通テーマについてユーザー団体と意見交換を行い、商標制度・運用の改善およびユーザーフレンドリー・ハーモナイゼーションの促進を目的としています。
 参加団体は、JPO、USPTO、EUIPO、CNIPA及びKIPOの各国商標所管官庁と、WIPO、各国・地域のユーザー団体です。
 本年は新型コロナウイルスの影響でオンラインでの開催となりました。例年のようにテーブルディスカッションで各庁と直接意見交換することはできませんでしたが、質疑応答のセッションではJIPAより以下の質問をいたしました。

■中国における悪意の商標登録に対して
 2019年の中国商標法改正により、中国で出願中の悪意の商標だけでなく、既に商標登録されている悪意の商標に対しても審査官が自主的に無効化できるのか質問いたしました。CNIPAからの回答は以下の通りです。

<CNIPA回答>

  • 中国商標法第44条に基づき、既に登録されている悪意の商標に対しても、審査官が職権で無効にすることができる。
  • 職権で無効にする場合は商標権者に通知がなされ、不服がある場合には再審査請求が可能である。

 ブランドオーナーが全ての悪意の商標を把握して無効審判を請求することは困難であるため、審査官が職権で無効にできるようになったことは、ブランドオーナーにとって有益であると考えます。ただし、職権で無効にする場合の具体的な運用や審査基準はまだ明確でないため、JIPAとしては、より実効性のある制度になるよう引き続き意見発信を行っていきます。

 JIPA商標委員会は、新型コロナウイルスの影響で働き方が変化する中で、JIPA加盟各企業にとって利便性が高い商標制度になるよう引き続き意見発信や政策提言を進めます。併せて、他のユーザー団体との連携を図りながら、各プロジェクト等への意見表明や説明を通し、JIPA加盟各企業にとって有益なものになるよう導くとともに、TM5の発展及び商標業界でのJIPAのプレゼンス向上への寄与を図りたいと考えます。

以上

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