国際活動

著作権委員会・フェアトレード委員会:欧州訪問代表団の派遣

 著作権委員会・フェアトレード委員会は、2022/12/4〜10に伊藤常務理事を団長に、著作権委員会から佐保委員長、フェアトレード委員会から茨木副委員長と神野副委員長、事務局古谷をベルギー(ブリュッセル)、ルクセンブルク、スイス(ジュネーブ)に派遣し、欧州委員会、World Intellectual Property Organization(以下、WIPO)、知財関係機関を訪問して主にデータ法制に関するJIPAの意見・活動内容を発信するとともに情報収集・意見交換を行いました。

 本訪問団は、2022年5月に提出した欧州 Data Actに対する意見書にもとづき、データ利活用の適切な推進のためには、データへのアクセスが

既存の知的財産制度が尊重され、

データへのアクセスは、明確なルールの下で一定のバランスのとれた範囲に制限されるもので、

イノベーションを阻害する可能性のある更なるデータ保護は望まないことをJIPAのデータに対する基本的見解としてJIPA関係者と共に検討・整理をしてきました。

 今般、Data Act意見書及びその背景にあるJIPAのデータ法制に対する基本的見解について、現地の知財関係機関と意見交換を行い連携を模索するとともに、欧州委員会に対して改めて詳説をするために渡欧しました。

 現地では、まず、産業団体のJapan Business Council in Europe(JBCE)、デジタルヨーロッパ、ビジネスヨーロッパを訪問しました。JIPAのデータ法制に対する基本的見解、Data Actに対する意見を説明し、各団体と産業団体という同じ立場から多くの点で考え方が共通していることを確認すると共に、データ法制についての意見交換を行いました。加えて各産業団体からは欧州内でのData Actに関する最新の検討状況も共有いただきました。
 その後、欧州委員会通信ネットワーク、コンテンツ、および技術総局のあるルクセンブルクに移動し、同局データチーム、文化と教育のためのインタラクティブテクノロジー・デジタルチームと意見交換を実施しました。意見交換では、欧州委員会から欧州データ戦略に基づくデータ利活用を目指した制度設計の考え方や、Data Act法案の趣旨についてご説明いただきました。
 JIPAからは、JIPAのデータ法制に対する基本的見解、Data Actに対して提出した意見のうち、他団体の意見書では記載の少ないJIPAならではの課題意識である「Data Actの適用対象となるデータの定義やデータと営業秘密との関係性、データ提供時のFRAND条件の適用是非等」について重点的に説明し質疑応答を行いました。

 一方、WIPOでは、夏目事務局長補、五十棲上級部長、宮本ヘッド、森崎様と面会機会を得ると共に、「知財・フロンティアテクノロジー部門」とデータ・新技術、「特許・技術部門」と営業秘密、「著作権・クリエイティブ産業部門」と著作権(権利制限規定)、「知財とイノベーションエコシステム部門」と国際知財ADRについて意見交換の機会を得ると同時に、「WIPO伝統的知識部門」、「知財リスペクト構築部門」、「WIPOグローバルチャレンジ部門」へ表敬訪問を行いました。
 特に著作権法の観点では、メタバース時代における法的課題に対するJIPAの現時点での見解を説明したうえで、日本の著作権法特有の権利制限規定を紹介し、持続可能な社会実現に向けたフロンティアテクノロジーが果たす可能性等、幅広い観点で意見交換を行いました。

 その他にも、欧州委員会研究・イノベーション総局、域内市場・産業・起業・小規模企業総局を訪問しました。
 研究・イノベーション総局では、WIPO PJの企画でアカデミアの先生方のご支援も得て「日本における知財・知的資産の価値化に関する政策の背景とイニシアチブの概要」というテーマでプレゼンを行いました。域内市場・産業・起業・小規模企業総局では、JIPAのデータに関する基本的ポジション、新技術チームの検討の状況を説明し、知財担当の方と意見交換を行いました。

 コロナ後初の訪問代表団でしたが、雪が舞い散る空模様の中、欧州の関係機関には温かく訪問を受け入れていただき、継続的連携を確認するとともに、対面での対話の重要性を改めて認識しました。

  • WIPO前集合写真
  • 欧州委員会前
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