「知財管理」誌

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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 72巻(2022年) / 3号 / 330頁
論文区分 論説
論文名 各国の秘密特許制度と日本における 制度の検討(その2)(完)
著者 小山隆史
抄録  戦前の日本は秘密特許付与型の制度を有し、戦後に公表された資料によると、少なくとも、明治年間に24件、大正年間に116件、昭和に入ると1,432件の秘密特許を付与している。この秘密特許制度は昭和23年7月の特許法等の一部改正によって廃止される。しかし、昭和31年6月に日米政府間で日米防衛特許協定及び同議定書が締結され、米国が日本に提供した防衛関連技術のうち、米国で秘密扱いとされている発明の日本での特許出願は、米国で秘密解除されるまでの間、日本では出願公告を行わない(協定出願)などとする制度が導入され、特許不付与型の制度の運用が現在も行われている。今後日本で新たに秘密特許制度(特許の非公開制度)を導入する場合、適用範囲は安全保障の観点から必要な防衛関連技術に限定すべきであり、また、関係者の予見可能性を高めるとともに、過度の負担を課すようなことのない、効率的な制度及び運用とすべきである。
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