「知財管理」誌
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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 75巻(2025年) / 7号 / 846頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 事例から分析する「著作権法が保護するもの」(その1) |
著者 | 著作権委員会 |
抄録 | 著作権法の保護対象としては、著作物、レコードや実演等が挙げられるが、その保護の外縁は必ずしも明確ではない。すなわち、著作物については表現の利用に対しては保護が及ぶものの、アイデアの利用については保護は及ばないというアイデア/表現二分論が採用されているところ、キャラクターの利用やパロディ的な利用においては、利用されているものはアイデアなのか表現なのかが判然としない場合がある。さらに、パロディについては、仮に表現を利用している場合であっても、表現の自由の観点から一定の範囲では保護の対象から外すべき(権利制限の対象と考えるべき)との議論もありうる。また、実演については、現在声優の声を生成AIに学習させて再現させることについて、実演家の権利が及ばないとして声優の団体が懸念を表明するなど、著作権法における実演家の権利の保護範囲がクローズアップされている。本稿は、具体的な事例をもとに、このような著作権法の保護対象を分析するものである。今回は、その1として、キャラクターの保護について取り上げる。 |
