「知財管理」誌

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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 76巻(2026年) / 3号 / 391頁
論文区分 海外注目判決(No. 113)
論文名 (No. 113) [欧州]欧州統一特許裁判所(UPC)で最初の均等侵害を認めた事件
著者 高岸 亘
抄録  統一特許裁判所(Unified Patent Court)において、特許権侵害訴訟における均等論の適用基準は、設立当初から関心を集めていた。その関心が高まる中、UPCのハーグ地方部は2024年11月のPlant-e v Arkyne事件において、UPCとして初の均等侵害の認定をした。その後もUPC控訴審による統一的な判断は未だ示されていないものの、ブリュッセル、マンハイム、パリ及びハーグの各地方部において、均等侵害の成否に関する判断が相次いでいる。
 本稿は、Plant-e v Arkyne事件を検証し、その後の一連の裁判例を踏まえ、UPCにおける均等侵害に関する判断基準の共通性と差異を地方部ごとに確認する。さらに、UPCにおける均等論の法源が、多岐にわたる結果、加盟各国の国内判例法の影響もあいまって、均等侵害の基準が完全には統一されていないという現状を指摘する。そして、このようなUPCにおける均等論の現状を踏まえ、日本企業がUPCを見据えた知財戦略を構築する際に考慮すべき実務上の留意点について、若干の考察を加える。
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