「知財管理」誌

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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 72巻(2022年) / 1号 / 117頁
論文区分 海外注目判決(No. 66)
論文名 (No. 66) [米国]“About”というクレーム文言の 解釈が争点になった事例
著者 角田 衛
抄録  米国特許でクレーム中の数字を“about”が修飾している場合の問題点について、2020年11月23日の連邦巡回区控訴裁判所(以下、CAFC)判決(Par判決)1)を参照して概説する。まず、過去の“about”の解釈等に関する判例のいくつかについて説明し、さらにPar判決について詳述する。Par判決は、先例の“about”の解釈の仕方を踏襲しつつ、その手法を明確化したものと考えられる。具体的には、“about”の解釈を狭める内的な証拠が明細書や審査経緯にない限り、数字の技術的意味に基づく解釈がされる。また、クレームされた数値限定の通常の意味を無視するような範囲を“about”の範囲に含めることはできない(すなわち、modest amountに限られる)。本稿では、自社特許のクレーム中の数字を“about”で修飾する場合の留意事項についても言及する。
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