「知財管理」誌
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| 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 76巻(2026年) / 3号 / 380頁 |
| 論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 571) |
| 論文名 | (No. 571) 数値限定発明の数値を僅かに外れる製品等につき文言侵害及び均等侵害の成立を否定した事例―熱可塑性樹脂組成物事件控訴審判決─ |
| 著者 | 古庄俊哉 |
| 抄録 | 本件は、数値限定発明に関し、数値範囲に係るクレームの解釈と文言侵害及び均等侵害の成否が争われた事例である。本判決は、特許請求の範囲には第三者の予測可能性を保障する「権利の公示書」としての役割が求められることを重視し、権利者が特許請求の範囲において特定の数値範囲を権利範囲として定めた以上、その数値範囲に係るクレームは厳格に解釈されるべきという解釈の在り方を示している。また、本判決は、均等論の第5要件の判断においても、特許請求の範囲の「権利の公示書」としての役割を重視し、権利者が特許請求の範囲で定めた数値をわずかでも下回る数値のものについては、技術的範囲から除外することを客観的、外形的に承認したと認めるのが相当であるとの判断を行っている。本判決は、数値限定発明における数値範囲の意義の解釈の在り方、均等論の第1要件・第5要件の考え方のほか、数値限定発明の特許請求の範囲や明細書の記載の在り方などについても実務的示唆を与える重要な事例である。 |
